<女子ゴルフ:富士通レディース>◇2日目◇13日◇千葉・東急セブンハンドレッドC西C(6635ヤード、パー72)◇賞金総額8000万円(優勝1440万円)

 今年7月にツアー初Vを挙げた木戸愛(22=ゼンリン)が2勝目のチャンスをつかんだ。2アンダー10位で出ると1イーグル、4バーディー、2ボギーの68で回り、通算6アンダー138の単独2位に浮上した。2週前の日本女子オープンでは最終日を首位で迎えながら24位と失速した。前週は姉貴分の上田桃子(26)が指導を受ける元賞金王の谷口徹(44)との会食でメンタル助言を受けて開眼。気持ちを切り替えた効果が早くも表れた。穴井詩(らら、24)が通算9アンダーで首位を守った。

 強さに満ちあふれていた。風速3・3メートルの強風に負けない抑え気味のショットで次々とフェアウエーをキープ。後半の10番ではイーグルも奪い、上位進出に成功した。首位とは3打差ながらも、10位から単独2位まで急上昇。「風が強いのは分かっていたので我慢しながらじっくりやろうと。思い通りに近いプレー」と自ら合格点を出した。

 1週間前は心の傷が癒えていなかった。2週前の日本女子オープン。首位で迎えた最終日に失速して24位となり号泣した。その後も「悔しさは残りました」(木戸)。今月5日、キヤノンオープン3日目を姉貴分の上田と観戦し、上田が指導を受ける谷口と3人で約2時間、横浜市内のホテルで会食。過去2度の賞金王を獲得した谷口から「切り替えが大事」と言われて目が覚めた。あえて日本女子オープンのビデオをチェックして気持ちを鼓舞し、8日のワンデー大会スターツレディースで優勝。数日でストロングスタイルを取り戻していた。

 「2日間、本当にチャンスはつくれた。あとは思い切りチャレンジしたい」。首位とは3打差。初めて追い上げVを奪うパターンを思い描きながら、今季2勝目に照準を定めた。【藤中栄二】