<男子ゴルフ・ワンアジアツアー共同主管試合:インドネシア・プロ選手権>◇第2日◇29日◇インドネシア・エメラルダGC(7198ヤード、パー72)◇賞金総額8707万円(優勝賞金1567万2600円)

 池田勇太(27=日清食品)が、完全復活を予感させる好ショットを連発した。5バーディー、1ボギーの68で回り、首位と4打差の通算9アンダー135、10位につけた。第1日から2日続けての60台は、優勝した昨年10月のキヤノンオープン以来。ショット後にみせる「どや顔」も復活し、一気に優勝争いに割って入る。

 代名詞の「どや顔」が戻ってきた。前半18番パー4。池田は左ラフからの第2打を、ピン奥80センチにピタリとつけた。ロープ際に歩み寄り、ギャラリーに満面のどやスマイルを向けただけでなく「今のさ、ピンまで180ヤード。8番アイアンで届いちゃったよ」と“どや説明”まで加えてみせた。

 前半はピンにショットを絡め続け、4つスコアを伸ばした。18番のバーディー時点で、通算9アンダーの首位に。続く1番パー5も、残り75ヤードの第3打が、文字通りピンに一直線。スピンでカップ奥数十センチに止まる弾道だったが、あまりにも真正面から旗ざおにボールが当たったため、3メートル以上もはね戻ってしまった。

 「アンラッキーだったな。あれでちょっと流れが悪くなっちまった」。このパーで勢いが止まり、後半はボギー先行のガマンの展開。それでも8番パー3でピン手前2メートルにつけてバーディーを挙げ、悪くない形でラウンドをしめた。

 昨年の秋は10月のキヤノンオープンで優勝。その直前も3戦連続2位に入るなど、安定した強さをみせていた。しかし翌週の日本オープンの最終日に体調不良で崩れて以来、一転低調に。それまでの「どや顔」も影を潜めていた。

 今年も選手会長業に追われて練習の時間がなく、先々週のタイ・オープンでは悔しい予選落ち。浮かない表情のプレーが続いた。巻き返しへ、中1週は地元の千葉に戻り、2日間で1200球の打ち込みを敢行。新クラブもなじみ出し、ようやく「どやショット」がみられるようになった。「上を狙える位置だからさ。明日を大事にするよ」。優勝争いという定位置に、若大将が戻ってきた。