<米男子ゴルフ:マスターズ>◇最終日◇14日◇米ジョージア州オーガスタナショナルGC(7435ヤード、パー72)◇賞金総額800万ドル(約7億6000万円)優勝144万ドル(約1億3680万円)

 ユニクロがゴルフウエアとして世界に認知された。アダム・スコット(32)がオーストラリア勢として初優勝を飾った。左胸に「UNIQLO(ユニクロ)」のロゴをあしらったポロシャツ姿が、4日間トップ争いを演じて世界中に配信された。

 今月1日、同選手と複数年のスポンサー契約を結んだばかりのカジュアル衣料大手、ファーストリテイリングは「いきなり大変な宣伝効果が上がった」(広報担当者)と手放しの喜びよう。ゴルフ好きの同社柳井正会長兼社長も「私たちにとっても励みになる。今まで以上に活躍してほしい」と絶賛した。

 契約は同社の世界戦略を担う「ブランドアンバサダー」。ユニクロウエアを着てプレーするほか、スコットが手掛けている途上国の教育支援など社会貢献活動にも共同で取り組む。同社はテニス世界ランキング1位のノバク・ジョコビッチ(セルビア)や錦織圭とも同じ契約を結んでいる。

 同社はゴルフウエアブランドを展開するのではなく、通常カジュアルをゴルフで着用してもらおうという提案。「吸水性や速乾性などの機能とデザイン性を兼ね備えたカジュアルウエアはスポーツと親和性がある」(古川啓滋広報部長)という思いからだ。

 スコットは最終日、ユニクロのドライカラーポロシャツ(1990円)とインナーにエアリズム(990円)、ドライノータックパンツ(2990円)とベルト(1990円)を着用。合計7960円の「勝負服」で優勝賞金144万ドル(1億3680万円)の栄冠をつかんだ。

 ゴルフウエアは、専門ブランドで高価なものも多い。お手ごろ価格のウエア上下で世界の頂点に立ったスコットの活躍は、多くのゴルファーに影響を与えるかもしれない。