【ガレイン(英国)14日=塩畑大輔】松山英樹(21=東北福祉大)が、本気で海外メジャーの最終日最終組を目指す。18日に開幕する全英オープン選手権に向け、13日から会場の英国・ミュアフィールドで練習ラウンド。最終18番パー4の超大型観戦スタンドを見て、大観衆で埋まる最終日最終組でのプレーを熱望した。そのために「全英スペシャル」のクラブ数本をテスト。この日は、前日の「84」から「72」と一気にスコアを伸ばすなど、着々と本番への準備を進める。

 13日の最終18番パー4。松山は「毎年こんなにスタンド大きいんですか?」と目を丸くした。例年も大型観戦スタンドが設けられる全英オープン選手権の最終ホールだが、確かに今年は特に大きい。「第2打地点ですでにギャラリーに囲まれてる感じ。最終日最終組だとすごいんだろうな…。よし、頑張りますよ!」と目を輝かせた。

 夢見るだけではない。出発前「特に低い球を打つつもりはない」と話していた松山だが、実際には「全英スペシャル」をしのばせて渡英していた。ティーショットで多用していたのは2番アイアン。普段使っている2番ユーティリティーと交換し、風をかいくぐるような低い球でフェアウエーをとらえる。

 ユーティリティー自体も、ロフトを3番ウッドに近い14・5度まで立てた、珍しい低弾道モデルをテスト。全英特有のタコつぼのようなバンカー対策で、サンドウエッジも通常の58度だけでなく、球を上げて脱出しやすい62度も準備した。

 慣れないリンクスでのプレーに、84とたたいた。しかし11年マスターズで27位に入り、最優秀アマに輝いた際も、練習ラウンドでは当初「86」「84」と大たたきしていた。一夜明けたこの日、1番スタートの前半を3アンダーで折り返すなど、早くもコースに順応。後半はボギーがかさんだが「72」とV字回復した。

 公式会見に呼ばれるなど、大会側からの期待も大きい。ミュアフィールド開催の全英では、青木功が80年にコースレコードの「63」をマークし、02年には丸山茂樹が5位に入った。日本人向きのコースで、松山が優勝争いを演じる。