<女子ゴルフ:LPGAツアー選手権リコー杯>◇第2日◇29日◇宮崎CC(6451ヤード、パー72)◇賞金総額1億円(優勝2500万円)

 賞金ランク2位の横峯さくら(27=エプソン)が、逆転賞金女王へ瀬戸際に立たされた。14位でスタートしたが76と崩れ、通算6オーバーで20位に後退。無条件で逆転戴冠できる優勝へ、残り2日で首位との10打差を追う展開に追い込まれた。賞金ランク1位の森田理香子(23)は1ボギーのみと我慢のプレーで73にまとめ、14位から12位に順位を上げた。元賞金女王の大山志保(36)が通算4アンダーで首位を守った。

 横峯が終盤に失速した。15番パー4で第1打を、左の林に打ち込んでボギー。17番は17メートルのバーディーパットを2・8メートルショートさせて、3パット。最終18番パー4は、右ラフから残り160ヤードの第2打が6番アイアンでうまくヒットせず、グリーン右下のラフに落として、またボギー。

 「17、18番がもったいなかったです。調子は昨日より悪かった。ショットが練習では良くても、ちょっとタイミングが合わなかったり…。変な力が入っちゃってました」

 南国・宮崎らしからぬ寒風が吹いた。グリーンは硬く、止まらず、しかも芽の強い高麗芝。18番は2日連続でバーディーがゼロだった。タフな状況下、9番で今大会27ホール目にして待望の初バーディーを奪い、5個の寄せワンを決めたが、最後にズルズルと順位を落とした。

 20位ターンで、女王奪回は厳しくなった。無条件で逆転可能な優勝へ、首位とは10打差。自己ベストの最終日5打差逆転を演じ、逆転戴冠した09年大会の再現には、きょう29日の猛チャージが必須だ。

 V逸の場合、約281万円差がある森田との順位差による逆転戴冠も険しさを増した。森田がこの日の「3人並びの12位タイ」(賞金約118万円)で大会を終えたなら「2人並びの7位タイ」(同418万円)以上が要求される。「あきらめられたら楽なんですけど、ゴルフは何が起こるかわからないので」。最後の力を振り絞る。もうそれしか道はない。【加藤裕一】

 ◆横峯の逆転優勝

 ツアー通算22勝のうち、最終日の逆転は10試合で、どちらかと言えば“逃げ切り型”。首位を逆転した最大差は09年LPGAツアー選手権リコーカップの5打差。

 ◆最終戦での女王確定条件

 可能性があるのは賞金1位森田と2位横峯だけ。

 <1>森田

 出場選手28人で予選落ちがなく「単独最下位(賞金42万円)」でも、横峯が「単独9位(同264万円)」ならOK。

 <2>横峯

 優勝でOK。V逸なら「森田より上位」かつ、今大会前の「280万7411円差」をひっくり返せる順位差が必要。