<女子ゴルフ:KTT杯バンテリン・レディース>◇第1日◇18日◇熊本空港CC(6455ヤード、パー72)◇賞金総額1億円(優勝1800万円)

 15歳のアマチュア勝みなみ(鹿児島高1年)が、ツアー史上最年少優勝へ首位発進した。5連続バーディーなど6アンダー、66をマーク。アマ選手の初日首位は史上8人目(10度目)となり、優勝すれば15歳293日で、キム・ヒョージュ(韓国)の持つ16歳332日の最年少記録を大幅に更新する。O・サタヤ(タイ)も首位で並び、1打差3位にイ・ボミ(韓国)。

 前半インの14番パー4から、勝の快進撃が始まった。残り120ヤードの第2打を9番アイアン(I)で4メートルにつけ初バーディー。15番は6メートルをねじ込んだ。16番パー3は6番Iでピン1・5メートルへ。17番パー4は残り160ヤードの第2打をピン1・2メートルへ。18番パー5は右ラフから残り70ヤードの第3打をサンドウエッジでピン3メートルにつけた。

 鮮やかな5連続バーディーだ。「今日はラッキーが多かった」というが初めてではない。鹿児島・名山小6年のプライベートラウンドで記録して以来、生涯2度目のバーディーラッシュ。突然増えたカメラの放列に「打った後、どこ向けばいいかわからなくて、とにかく前を向いてました」と笑った。ツアー12戦目で初の60台となる66。史上8人目のアマチュア首位発進を無邪気に振り返った。

 予兆はあった。3月末、日本ゴルフ協会のナショナルチームメンバーとして出場したニュージーランドアマ選手権に通算19アンダーで、2位に7打差の圧勝。「15歳4カ月」の米女子ツアー最年少V記録を持つ天才少女リディア・コ(16)が、12年に樹立した最多アンダーパーの大会記録を2打更新した。「すぐ、両親に『抜いたよ!』と電話しました。本当にうれしかったです」。

 2学年上の先輩アマにも触発された。一緒にニュージーランドに遠征した森田遥が直前のプロギアレディースで1打差3位と優勝に迫った。「すごく刺激を受けました。17番で短いパットを入れていたらプレーオフに残れたとか…」。

 最終日を「15歳293日」で迎える。12年サントリーレディースでキム・ヒョージュが記録した最年少優勝「16歳332日」を1歳以上も更新する快挙も見えるが、浮足だってはいない。「まだツアーで優勝争いできる実力はないと思います」。今春、高校に入学。ゴルフ強豪校の誘いを断り、ゴルフ部のない地元の鹿児島高を選んだ。「ゴルフばかりじゃ…。いろんな人と知り合いたいから」。地に足の着いた15歳は無欲で突っ走る。【加藤裕一】<勝(かつ)みなみアラカルト>

 ◆生まれ

 1998年(平10)7月1日、鹿児島市

 ◆ゴルフ歴

 6歳から。名山小6年で10年全国小学生大会V。長田中の12~13年に全国中学校春季大会連覇。12年九州女子アマに13歳328日で最年少優勝。日本女子アマは12年41位、13年ベスト16。ツアー競技は出場11戦で予選通過6回、最高位は13年スタジオアリス女子オープン12位。12年後期と今年前期のナショナルチームメンバー

 ◆得意クラブ

 ドライバーで平均飛距離240ヤード

 ◆尊敬するゴルファー

 宮里藍

 ◆好きなタレント

 漫才コンビのノンスタイル(ボケの石田が好き)

 ◆サイズ

 157センチ、56キロ<日本アマチュアの記録>

 ◆首位発進

 88年ツアー制施行後、12年4月スタジオアリス女子オープンの比嘉真美子以来8人目(諸見里しのぶが3回、通算10度目)。

 ◆5連続バーディー

 記録の残る90年以降、金田久美子が08年ゴルフ5レディース第2ラウンドでマークした6連続に次ぎ、2番目の記録。

 ◆優勝

 達成者は3人。73年トヨトミレディースの清元登子、03年ミヤギテレビ杯の宮里藍、12年サントリーレディースのキム・ヒョージュ。