<女子ゴルフ:サマンサタバサ・レディース>◇最終日◇20日◇茨城・イーグルポイントGC(6528ヤード、パー72)◇賞金総額6000万円(優勝1080万円)

 成田美寿々(21=オンワードホールディングス)が今季3勝目、通算5勝目を挙げた。1打差から出て7バーディー、2ボギーの67で回り、通算16アンダー200で並んだ香妻琴乃(22)とのプレーオフに突入。1ホール目にバーディーを奪って突き放した。これでプレーオフは3戦全勝、賞金ランクも日本選手最高位の3位に浮上した。

 成田がまた勝負強さを見せた。18番でのプレーオフ、残り116ヤードからの第2打を9番アイアンでピン手前1・5メートルに止め、これを入れて、拳を突き出す力強いガッツポーズ。サマンサタバサ所属の香妻をスポンサー関係者が見守る前で退け、「アウェー感いっぱいでした。私ですみません、という感じ」と照れた。

 前週全英女子オープンで予選落ちし、調子は万全でない中、「9番アイアン以下だけは自信があった」。第1打でドライバーを思い切り振り、9番の距離を残せたのが鍵となった。

 プレーオフ3連勝だ。要因について本人は「自分でも分からない」としたが、父俊弘さんは「楽しんでいるから」と明かす。「プレーオフまでいったら仕事は終わり、あとは運。2人だけに全ギャラリーが注目するのだから、チョー気持ちいいらしいですよ」(俊弘さん)。この日も成田は香妻と笑顔で話すなど、楽しそうだった。

 負けず嫌いだ。正規ラウンドで同組の東も、香妻も同学年。「なんだかんだ同い年には負けたくない。気持ちの強さは誰にも負けないと思っている」と言い切る。験担ぎもした。ピアスは黒とクリアのスワロフスキーで、黒のシャツに合わせたのと同時に、1勝目、3勝目を挙げた時にしていたものでもあった。

 賞金ランク3位となり、「これからは(1位の)アン(ソンジュ)ちゃんを意識して」。成田の勝負魂に、新たな火が付いた。【岡田美奈】

 ◆成田美寿々(なりた・みすず)1992年(平4)10月8日、千葉県生まれ。中学までソフトボール部に所属し、拓大紅陵高進学後に本格的にゴルフを始める。日体大入学後の11年に最終予選会で26位に入り、12年からツアー参戦。同年富士通レディース、13年NEC軽井沢72、今年5月国内メジャーのワールド・レディース・サロンパス杯、6月ヨネックス・レディース優勝。167センチ、60キロ。