15回の大学日本一を誇る早大ラグビー部が15日、東京・早稲田キャンパスで新体制を発表し、山下大悟監督(36)がV奪還を誓った。

 早大は08年度の全国大学選手権を最後に日本一を逃しており、本年度大会では準々決勝で同大に敗れた。チームスローガンは引き続き、鎖のような強いディフェンスを目指す「BE THE CHAIN」。山下監督は「帝京大を倒すためにはこれしかない。スローガンは変わらない。今年度こそ日本一を奪いにいく」と気合を入れた。

 昨年2月に就任した山下監督は、清宮克幸監督(現ヤマハ発動機監督)のもと「アルティメットクラッシュ」のスローガンを掲げ、02年度大会の主将として早大を13大会ぶりの日本一に導いた。サントリーへは当時少数派だったプロ選手として入団し、社会の厳しさを味わった。

 監督となった現在は「勝つチーム」にするための改革を進めている。昨年度は伝統の“アカクロ”ジャージーを一新し、栄養士の助言を受けながら食事量を増やした。ウエートトレーニングでパワー、走り込みでスピードやスタミナを加える練習を地道に続けてきた。春は「体づくり」に集中するため、現在、主力として活躍している1年生も6月までは試合に出さず、ひたすらコンタクトに耐えられる体づくりに終始した。「選手の体は昨年より、よっぽどいい。トレーニングはうまく回り出したら、徐々に変えていきたい。勝つチームの雰囲気をつくっていきたい」。

 主将になったロック加藤広人(3年)は「日本一になる覚悟はありますか?」と選手に呼びかけた。結果が全て。伝統校復活に向けて、山下監督の2年目の戦いが始まる。