リオデジャネイロ五輪卓球男子シングルス銅メダルの水谷隼(28=木下グループ)が来年10月開幕予定の新リーグ、Tリーグに対し、不安と疑問の声を投げ掛け、情報公開の徹底を訴えた。2日、千葉市内で大手電気機器メーカー、オムロンが開発した卓球ロボットのイベントに参加後、新リーグへの思いを語った。

 今年1月の時点で、プロアマ混在のTリーグについて「欲していたのはプロリーグ。どれだけ選手のためになるかも分からない」と疑問を呈していた。以来、約9カ月。水谷の疑問は変わっていなかった。

 水谷 1月から9カ月たったが、何も情報が入ってきていない。不安です。

 Tリーグは先月15日からチームの公募受付を開始。11月末が締め切りで、来年1月に男女各4チームが決まる予定。自身が所属する木下グループはすでに申し込みを終えているが、Tリーグから詳しい状況、情報は選手におりてきていないという。

 水谷 何も見えてこない。他の選手と話していても、どうなるか分からないとの声が多い。

 今季は水谷に続き、世界選手権混合ダブルス金メダルの吉村真晴(24=名古屋ダイハツ)がロシアリーグに挑戦する。松平健太(26=木下グループ)がポーランドリーグ、世界選手権最年少ベスト8の張本智和(14=エリートアカデミー)は今年からマレーシアで始まったアジア太平洋リーグに参戦中だ。

 水谷 今季は男子の主力が海外のプロリーグでプレーしている。良い環境なら(Tリーグ開幕の)来年も、そのまま海外に拠点を置いてしまう可能性もある。だからこそ、情報が欲しい。

 国内に世界一のリーグをつくるとの、Tリーグの理念には賛同している。

 水谷 昨年のリオ五輪から卓球人気は盛り上がっている。今、新リーグを立ち上げなければ、将来もできない。今やるべきだとは思っている。でも情報がなければ協力もできない。

 国内トップのベテラン選手。選手会長的な責任ある立場にいるとの自覚があるからこそ、Tリーグに対して、率直な不安と疑問をぶつけた。