<男子バレーボール:全国高校総体>◇8日◇男子2日目◇埼玉・所沢市民体育館ほか◇決勝トーナメント1、2回戦

 東北勢最後のとりでになった東北(宮城)はストレートで藤沢翔陵(神奈川)を下し、3年ぶりの3回戦進出を決めた。多彩なアタックにブロック8得点とサーブ7得点を交えて圧勝。6年ぶりの優勝へ、攻守の歯車がかみ合ってきた。

 “ニュー東北”が順当に勝ち上がった。競ったのは第1セットの9点目まで。3枚ブロックで勝ち越し、18点目からは5連続得点。センターエース阿部純也(3年)のバックアタック、レフト阿部裕也(2年)のブロック、セッター佐々木克弥(3年)の2連続サーブ得点と、各選手が主役争いを展開した。

 第2セットも、レフト熊井希佳主将(3年)が3連続を含む7得点を挙げるなど、1度もリードを許すことはなかった。予選から2戦連続のストレート勝ちに、佐々木繁雄監督(58)は「キャリアの差だね。相手攻撃が読みやすかった。勝ったから予定通り」と余裕の表情で振り返った。

 アタック陣は、4強入りした今春の全国選抜からポジションチェンジ。局面ごとにレフトがセンター、センターがサイドアタッカーの動きもこなす。これまでは阿部純のワンマンチーム的な印象が強かったが、オープン攻撃でも阿部純がオトリになって相手ブロックをほんろうするなど、攻撃のバリエーションが増えた。6年ぶりの夏制覇に向けて阿部純は「春に優勝できなかったので勝つことを優先したい」。熊井主将も「相手ブロックが分散するので打ちやい」と好調をアピールした。【佐々木雄高】