スピードスケートのW杯代表に史上最年少で選ばれた高山梨沙(安平早来中3年)が29日、前半戦2大会に向けて新千歳空港を出発した。経由する成田空港で代表チームに合流し、30日、欧州に向かう。今季開幕前は夢でしかなかった10年バンクーバー五輪出場の可能性が出てきたことで、本人も来季の五輪を正式な目標に設定。五輪同競技史上最年少出場へ、まずはW杯が1つ目のステップになる。

 おぼろげだった夢の舞台が、輪郭を帯びてきた。初のW杯に向かうこの日、高山は今まで「出られたらいいなぁ」とあこがれに過ぎなかった舞台を、目標に変えた。「ここまできたら五輪までいきたい。まずはW杯で世界の風を感じたい」。普段はあどけない中学生の顔が、きりりと引き締まった。

 今遠征では11月のドイツ・ベルリン、オランダ・ヘーレンフェインの2大会に出場する。2戦目は本人が「いつか絶対に行きたい」と公言していた、長距離種目の人気が高いスピードスケートの本場。約3万人の大観衆の中で滑る姿を想像しながら「緊張しないでどこまで滑れるか。目で見るすべてを吸収したい」と話した。

 道は自分で切り開いていくつもりだ。26日までの全日本距離別でW杯代表に選ばれたが、1500メートル11位、3000メートルも7位で今回はあくまで「期待枠」としての選出。真価が問われる年明けのW杯後半戦出場には、12月の全日本選手権で、第一人者の田畑を始め、穂積、石野、大津、石沢、小原など日本のトップ選手を相手に上位に食い込まなければならない。

 早来ジュニオールの中村卓也監督(40)は「W杯2戦目で(日本勢の)だれにでもいいから勝てれば、自信になって国内で爆発できる」と期待。高山も「W杯で何か身につけて(全日本選手権では)3位以内に入りたい。日本の上位にい続けなければ」と目標が定まり、ビジョンがはっきりとしてきた。

 いつも遠征時に持参する勉強道具は、今回は持っていかない。それだけ、競技に専念しようという思いは強い。「帰ってから大変だけど、可能性にかけたい」。15歳のニューヒロインには、本気で勝負する覚悟がある。【松末守司】