<フィギュアスケート:スケートアメリカ>◇2日目◇20日(日本時間21日)◇米ワシントン州ケント

 SP2位の小塚崇彦(23=トヨタ自動車)がフリー1位の166・12点をマークし、合計251・44点で逆転優勝した。GPでは10年フランス杯以来2季ぶり4度目の頂点。SPは世界歴代最高点で1位だった羽生結弦(17)はジャンプの転倒が相次ぎ、243・74点の2位。町田樹(22)が229・95点で3位に入り、GP男子シングルでは06年NHK杯以来2度目の日本人表彰台独占となった。女子SPの今井遥(19)は49・90点で7位と出遅れた。

 小塚は久々に笑顔で、得点の発表を待っていた。滑り終えた後に顔が曇り続けた昨季の姿はない。GPでは完全優勝した10年11月フランス杯以来693日ぶり、大会でも同年12月の全日本選手権以来665日ぶりとなる表彰台の頂点を、逆転でつかんだ。「久しぶりに優勝の気持ちを味わえたのはプラス」。日本人3人が並んだ表彰台で、衣装の襟に施された金色の刺しゅうと同じ金色のメダルをかける姿が誇らしげだった。

 バイオリンのクラシック曲「ロンド・カプリチオーソ」の調べに乗るフリーは、5月にプログラム作りに入っていた力作。出だしの2つの4回転トーループを持ちこたえると、伸びやかに持ち前のスケート技術を発揮した。基礎点が1・1倍になる後半のジャンプ、最後の3回転サルコーで氷に手をつき「後味が悪い」と苦笑いしたが、表現力はジャッジに高く評価された。

 フィギュア界きっての理論派が「頭の運動」を控え、氷上の運動だけに集中した。今秋からハイレベルな技術を解き明かす冠番組がスポーツ専門テレビ局「J

 SPORTS」で始まるなど、自らの言葉で技術論を語れるアスリート。フィギュアをより深く分析するため、11年4月に中京大大学院に進学した。

 だが、待っていたのは競技と両立の困難だった。「スケートも大学院の勉強も甘く見過ぎた」。2季前はGPで2連勝し、世界選手権で銀メダル。次代エースとして期待された昨季だったが、時間配分に苦しみ低迷した。GPファイナル出場を逃し、世界選手権も11位。反省から「勉強はいったん置いておく」と学業封印で挑んだ新シーズンだった。

 羽生の失速はあったが、堅実な演技でつかんだ優勝は大きい。「試合で必要なのは自信。それは練習で作るしかない」とスケートに専念した成果を発揮した。ソチ五輪まで16カ月。理論派が新たな境地を開いた、復活への大きな1歩だった。