<ラグビー:関東大学リーグ:明大42-14慶大>◇3日◇東京・秩父宮ラグビー場

 明大が慶大を下し、98年以来14シーズンぶりの対抗戦優勝に「王手」をかけた。前半6分のプロップ榎真生(4年)の先制トライを口火に、FWとBKが一体になった攻撃で計6トライを奪取し、快勝した。帝京大は37-27で早大に逆転勝ち。これで明大と帝京大が5戦全勝で、18日の直接対決を制すると優勝となる。明大の吉田義人監督(43)は「真っ向勝負」を約束した。

 吉田監督は試合後、「見ての通りです。いろんなところから怒濤(どとう)のごとく攻める。これが今季の明治のラグビー」と、うれしそうに切り出した。BK展開に最後はFWが加わっての先制トライが象徴的だった。同監督が掲げる15人一丸の攻撃ラグビーが、完成に近づいてきた。

 前戦で難敵筑波大を退けて、勢いがついた。同時に同監督は、防御を引き締めてもいた。試合2日前、タックルミスなど多い6選手を監督室に1人ずつ呼び出して個人指導した。監督就任4年目で初のこと。慢心を防ぐとともに「魂のタックル」の慶大相手にタックルで上回る狙い。筑波大戦ではキックを多用も、この日は地上戦にこだわるなど「相手によってプランを変える」(SO染山)適応力も兼ね備えてきた。

 だが、優勝がかかる帝京大戦では、互いに強力FWを擁すとあって真っ向勝負の構え。吉田監督は「力のある方が勝つ」「やることをやれば、結果はついてくる」と言い切っていた。

 ◆対抗戦優勝のゆくえ

 明大と帝京大は5戦全勝で残り2試合ずつ、筑波大が3勝1敗で続く。同じ勝敗数で並んだ場合は複数校優勝になることが、昨季から明文化。18日の明大-帝京大戦で勝ったチームは、残り1試合に敗れても6勝1敗どまりのため、ひとまず優勝が決まる。その後、他校が並ぶ可能性があり、その場合、大学選手権のシード順は当該対戦成績などで決める。