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2007年高校ラグビー特集


第87回全国高校ラグビー大会

大工大高が完封発進/高校ラグビー

前半、大阪工大高SH下平(中央)は高鍋フッカー松田からタックルを受ける(撮影・加藤哉)
前半、大阪工大高SH下平(中央)は高鍋フッカー松田からタックルを受ける(撮影・加藤哉)

<高校ラグビー:大工大高60-0高鍋>◇2回戦◇30日◇花園ラグビー場

 大工大高(大阪第3)の「最後の戦い」が、快勝で幕を開けた。2年生だけで前半4トライを奪う猛攻で60-0と高鍋(宮崎)を完封した。来春から「常翔学園」と校名変更されるため現校名での出場は今回が最後。節目の年の優勝へ、勢いよく発進した。前年度優勝の東海大仰星(大阪第1)は、尾道(広島)に12-14でまさかの逆転負け。Aシードの伏見工(京都)東福岡(福岡)桐蔭学園(神奈川)の3校はそろって3回戦に進んだ。

 モヤモヤした大工大高の雰囲気を一気に吹き飛ばした。高鍋の鋭い出足に押されていた前半11分、2年生SH下平が流れを変えた。自陣22メートル中央のラックでボールを拾うと、相手防御の「穴」を見逃さない。一瞬で抜けると全力でグラウンドを走り切り、鮮やかに70メートル独走トライを決めた。

 「誰もいない。行くしかないと思った」と下平。同級生の活躍にロック古川も奮起する。同17分にモールから中央にトライ。右足首ねんざで欠場した同じロック安井から試合前に「思い切りやってくれ」と言葉をもらっていた。「メンバー発表の時も悔しそうにしていた。頑張りたかった」と古川。前半の4トライはすべて2年生で奪った。勢いが出る圧勝の完封劇に野上監督も「ボールをよく動かす、うちらしいラグビーができた」とうなずいた。

 高校ラグビー史に栄光を刻んできた大工大高としては「最後の戦い」だ。来年4月に校名が常翔学園に変わる。名門校にあこがれて入部した下平は「今でも嫌です」と本音をこぼす。だが「最後の工大戦士」としての誇りは忘れない。「優勝して次に行きたい」と下平。野上監督も「ここでいいゲームをして、新しい名前の学校につないでいけるように頑張らなあかん」と口元を引き締めた。

 後半は2年生に負けじと3年生が4トライを奪った。大工大高の部室入り口には「ベストゲーム」「クリーンゲーム」とともに「協心」の大きな文字が掲げてある。礎を築いた故荒川博司元監督のモットーだ。入部すればまず、野上監督からこの3つの教えをたたきこまれる。2年生と3年生が協力しての勝利は、大工大高の神髄の1つ。12年ぶり5度目の頂点へ、まずは「伝統の力」を存分に見せつけた。【木村有三】

[2007年12月31日12時55分 紙面から]

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