<ラグビー:関東大学リーグ・対抗戦>◇2日◇東京・秩父宮ラグビー場◇対抗戦1試合、リーグ戦3試合

 明大が慶大に19-24で敗れて2勝3敗、大学選手権出場にはもうあとがないがけっぷちに追い込まれた。後半37分、SH金沢章太(3年)のトライ(ゴール)で5点差に迫ったが、およばなかった。残り2試合の相手は帝京大(16日)と早大(12月7日)。「前へ」を前面に押し出して逆転切符を狙う。慶大は2勝目を挙げた。リーグ戦は昨季覇者の東海大が無傷の5連勝を飾った。

 明大は後半ロスタイムに入った40分すぎから、最後の攻撃を仕掛けた。自陣ゴール前のスクラムを起点にラックを連取し前へ、前へ。ハーフウエーライン付近まで盛り返した。しかし、痛恨の反則で万事休した。筑波大、日体大戦に続いて3連敗。24年ぶりに大学選手権出場を逃す大ピンチに追い込まれた。

 FWの機動力不足に加え、モールを引き倒しての防御が許される新ルールの採用で、武器のモール攻撃が影を潜めた。攻撃の幅を広げるために新しく用いた横への展開も、まだ発展途上の段階。原点のFW戦にこだわったこの日の試合も白星につながらなかった。

 ただ、藤田監督は「チームを立て直し、きょうは明大のこだわりを披露できたと思う。形はできてきた」と強気だ。スクラムの柱である右プロップ土井が左ふくらはぎ負傷から3試合ぶりに復帰。この日、スクラムでは優位に立った。

 4日からトップリーグの神戸製鋼で3泊4日のミニ合宿を行う。合同練習で攻撃、防御などの精度を上げるのが狙いだ。ロックの杉本晃主将は「きょうは1つのミスや敵陣での不用意な反則が敗因。それを肝に銘じ、1戦1戦を必死に戦っていきたい」と話した。12度の大学日本一を誇る名門が生き残りを懸けた戦いに挑む。【三角和男】