焼津水産が、王者東海大翔洋に真っ向勝負を挑む !
全国高校ラグビー県大会は16日に、静岡・草薙球技場で準決勝2試合を行う。焼津水産は9日の準々決勝で、静岡を18-17で撃破して、02年大会以来6年ぶりの白星を挙げ、同校初の4強入りを決めた。主将を務めるCTB原田英緒(3年)は、3年前の主将だった兄武範さん(21=長崎大3年)からの応援メールを励みに、先輩たちの果たせなかった常勝軍団との大会初対決にすべてをかける。
焼津水産フィフティーンが、万感の思いで準決勝の大一番に臨む。静岡戦は、全員の気持ちが1つになった。強固なスクラムと厳しいタックルで、強豪をたじろがせ、攻め立てた。2点リードされていた試合終了間際に反則を誘うと、PGで鮮やかにひっくり返した。「僕たちが草薙で翔洋と戦えるなんて夢のよう。たとえ体で負けても、絶対に気持ちじゃ負けませんよ」。原田主将の鼻息は荒い。
杉本裕幸部長(50)の下で、92年に創部以来、負けっ放しの歴史だった。チームの公式戦初トライまでに5年、初勝利まで10年かかった。原田の兄武範さんの主将就任初戦だった05年の新人戦で、静岡東から単独校相手に悲願の初勝利を挙げたが、次戦で静岡に100点差で惨敗。武範さんは顔面複雑骨折の大けがを負い、1カ月も入院した。因縁の静岡戦の直前、原田の携帯が鳴った。「悔いのないように頑張れよ!」。大好きな兄からのメールに、チームでただ1人の元県選抜候補が燃えた。先頭に立って、今季新人戦優勝の静岡をなぎ倒した。
00年から指揮を執ってきた白井宏樹監督(43)の感慨もひとしおだ。「先輩たちの積年の悔しさを、原田を中心に見事に晴らしてくれました。弱い我々を合同練習に呼んで鍛えてくれた翔洋さんに、最高の恩返しの舞台になりますね」と声を震わせた。相手は8連覇を狙う不動の県王者。失うものはない。焼津水産が、新たな歴史の幕開けに船出する【大石健司】


