横綱朝青龍(28=高砂)が、約2年ぶりにCM出演することが5日、明らかになった。炭酸飲料「ファンタ」(日本コカ・コーラ社)のCMで、今月中旬から放送される。契約は初場所(11日初日、東京・両国国技館)出場が前提になっており、朝青龍は休場という逃げ道を自らふさぎ、進退をかけて同場所に臨む。またこの日、将来的な総合格闘技での対戦を申し出てきた北京五輪柔道100キロ超級金メダリスト石井慧(22)が、意外に弱気であることを暴露。モンゴルでの修行を提案した。

 進退をかけた初場所中に朝青龍がCMに登場することになった。CM出演は06年10月に放送された携帯電話「NTTドコモ」以来。05年から「富士通」「アサヒ飲料」と立て続けにCM出演していたが、07年7月に夏巡業を休場しながらモンゴルでサッカーに興じ、2場所出場停止処分を受けたことなどから、スポンサー側から「何をしでかすか分からない」と敬遠されていた。

 だが、コカ・コーラ社は朝青龍の持つユーモアと憎めなさに目をつけ、今回のCM起用に至った。関係者によると、同CMのコンセプトは、天然水を使用していることなどを強調し、ファンタのイメージを一新すること。それに合わせて、起用した朝青龍を「本当はいいやつ」と扱っているという。

 撮影は九州場所直後の11月下旬に行われていたが、同社との正式契約は先週末までずれ込んだ。仮に昨年名古屋、秋、九州に続いて初場所も休場となれば「相撲も取れないのにCMに出るのか」との批判が高まるのは必至だったからだ。左ひじ痛を抱える朝青龍も「無理はしたくない」と発言するなど、最近まで休場の可能性をほのめかしていた。

 しかし、年末年始を過ごした母国モンゴルで5キロの減量に成功。3日の武蔵川部屋での出げいこで手応えをつかんだことで、「初場所出場」が前提となるCM契約にサインするに至ったという。ただし、11日からの同場所の序盤で負けが込めば、その数日後からのCM開始までに、朝青龍が土俵を去るケースも考えられる。CMと同時に土俵でも復活できるか。責任重大だ。