大相撲の八百長問題をめぐる裁判で解雇無効の判決が出て、現役復帰が確実な元幕内蒼国来(29)について、日本相撲協会は夏場所(5月12日初日、両国国技館)の地位を「幕内最下位格付け出し」とする方向であることが27日、協会関係者の話で分かった。解雇された11年4月、元蒼国来は西前頭15枚目だった。

 相撲協会が同日に大阪市内で開いた夏場所番付編成会議で、元蒼国来は編成の対象外だった。本来は番付にしこ名が載らないが、協会規定にもない異例の措置を取るとみられる。新番付は4月25日に発表される。付け出しとして出場する場合は夏場所初日の2日前に行われる取組編成会議で取組が組まれ、夏場所に出なければ休場扱いで翌場所は十両に転落する。

 相撲協会は4月3日の臨時理事会で控訴断念を正式決定し、4日にも北の湖理事長(元横綱)が元蒼国来の師匠だった荒汐親方(元小結大豊)と本人を交え、復帰後の処遇などを協議する意向という。元蒼国来は約2年のブランクがあるため、荒汐親方は26日に「2場所ぐらいは休ませたい」と話していた。