大関稀勢の里(27=田子ノ浦)が初めて、締め込みの色を変えることが分かった。新十両から10年間使っていたえんじに代わって、選んだ色は横綱貴乃花らをほうふつとさせる「茄子紺」。新しいまわしは前日2日に届き、3日の朝稽古で締めて体になじませた。

 「何かが変わってくれればいいなという気持ちで、心機一転です」。前鳴戸部屋では関取になると、最初にえんじ色の締め込みを着けるのが習わしだった。そこから変えていく力士は多いが、稀勢の里は貫いてきた。だが、綱とりへ殻を破りたい-。その思いで、イメージチェンジを図った。

 十両以上のまわしを指す締め込みは本来、力士規定で「紺、紫色系統」と定められていた。次第に色まわしが普及したが、紺色は基本。その中で茄子紺は、初代若乃花や貴乃花らが締めていた。稀勢の里が選んだのは赤みを抑え、黒みがかったインディゴブルーと呼ばれる茄子紺。「(色味を)うるさく言ってきたからいい出来です」と喜んだ。

 体を大きく見せる膨張色のえんじから、引き締めて見せる茄子紺へ。「いい状態になったときに着ける」と、早ければ名古屋場所(7月13日初日、愛知県体育館)から新しい姿で行く。