シーズン前半戦の最終戦になった阪神-巨人は、典型的といえる「1対0」の投手戦だった。阪神の勝因は“ダルベック封じ”にあった。
わずか1点リードの9回無死一、二塁、村上頌樹投手(28)がダルベックに1ボールから投じた2球目は、低めにいったボール気味の変化球だった。
それをダルベックが打ちにいって二ゴロ併殺になった。ピンチを乗り切った阪神バッテリーからするとしてやったり、巨人はまんまと打たされた。
ダルベックにしてみれば普通なら手を出さないボールのはずだ。それを思わず打ちにいってしまったのは、2回の第1打席に“伏線”があったからだろう。
阪神バッテリーは、ダルベックの最初の打席で執拗(しつよう)にインコースの高めを攻めた。それが最終回の4番打者を併殺に仕留めた「1球」につながっている。
典型的な「1対0」の一戦といったのは、両軍バッテリーが素晴らしかったからだ。巨人小笠原はストレートで押すタイプから変化球投手にイメチェンしたが阪神の各打者をほんろうした。
前半戦の阪神は森下、佐藤が打ちまくって、2人がマークされると大山が打つといったクリーンアップのつながりで勝ってきた。しかし交流戦明けは得点するのに苦しんだ。
若手のやりくりで上昇してきた巨人は目いっぱいだから、まだ阪神に余裕がある。突っ走るまではいかないだろうが、他のチームのどこが突き上げてくるかにもかかってくる。
それと阪神は死球を受けるケースが目立つが、いちいち過剰に反応しないことだ。6回に死球を受けた大山が潔かったように、もっと平然と処したい。それはいつも大打者が通ってきた道だからだ。
(日刊スポーツ評論家)








