日本ハムが「稚心(ちしん)」を去り、日本一へと歩き出す。 栗山監督が、自著「稚心を去る」を出版した。

指揮官が昨シーズンを通して、気付かされたことがタイトルとして付けられた。「そこだけは、こだわったところ。しっかり選手に伝えていかないといけない」。稚心は「おさなごころ」とも読む。理知を欠いて個を主張するのではなく、周囲を思いやる心を持つことが大切だと話していた。 100年以上前、同じ言葉を残したのが橋本左内だ。幕末を生き、26歳で生涯を終えた武士が、15歳で「稚心を去れ」と言い残していた。栗山監督は先人に敬意を払いながら、タイトルにした。「そういう感覚があると、前に進まない。プラスアルファを持ち込まないと、うちは勝てない」と今季のカギになることも明かした。 札幌市内で行われた出版イベントには、木田投手チーフコーチがゲスト出演。「さっきケータイで調べました。遊び心を捨てる、という意味ですね」と披露し「僕みたいに六本木やススキノに行っていた、誘惑に負けたヤツのことですね」と笑いを誘っていた。若手の台頭が著しいチーム。稚心を去り、チーム全員で日本一を目指してほしい。【日本ハム担当 田中彩友美】