将来の日本を背負う若侍がいる。3月に予定されていた強化試合・台湾戦(東京ドーム)は新型コロナウイルスの影響で中止となったが、23年3月には第5回ワールド・ベースボール・クラシック(WBC)の開催が見込まれる。侍ジャパンの経験がない12球団の若手有望株にスポットを当てる「未来の侍たち」第11回。
中日の次世代侍ジャパンの筆頭候補は3年目石川昂弥内野手(20)だ。東京オリンピックで金メダル獲得に貢献した大野雄が「(僕の次は)石川昂弥の名前が出てくる。20歳だけど物おじしない。向いている。天性だと思う。実績ゼロだけど、ドカンとやりまくって、(代表に)選ばれるくらいの成績を残して欲しい」と期待するほど将来性は十分だ。周囲の期待とは裏腹に、初めて1軍キャンプを完走した石川昂は日本代表への思いを封印している。「開幕へ向けて必死なので、何も今はないです」。
東邦を平成最後のセンバツ優勝に導き、19年ドラフト1位で中日に入団。1、2年目は故障や骨折などに悩まされた。主砲候補はプロ2年間で本塁打ゼロ。立浪監督は、「30本以上打てる可能性を秘めている」と期待し、秋季キャンプから中村紀打撃コーチらとともに、石川昂を直接指導。春季キャンプから実戦で積極的に起用する。
指揮官は「飛ばす打者は過去もいたが、振っている感なく飛ぶのは清原さん。スイングスピードもあり石川が持っている天性の才能」と、PL学園の2学年先輩で通算525本の清原和博氏にダブらせる。2月22日には清原氏の春季キャンプ訪問に合わせ石川の打撃練習時間を調整し、同氏の直接指導を演出。投手とのタイミングのシンクロ打法などを伝授した清原氏も「日本代表チームに入れる打者」と素質に目を細めた。
対外試合で4試合10打数2安打0本塁打で迎えた沖縄最終戦。2月27日、楽天とのオープン戦(北谷)で楽天滝中から左翼防球フェンス直撃の特大“1軍”初アーチを放った。「あの1本で全部吹き飛んだ。本当にうれしかった」と感情を爆発させた。
入団時から目標は「3冠王」と「日本代表」。開幕1軍スタメンは、夢への通過点。ブレークの先に、侍ジャパンのユニホームが待っている。【伊東大介】







