優勝候補に挙げられながら、日本ハムが苦しんでいる。突然の監督交代劇があり、バタバタしている巨人を相手に2連敗。その負け方を見ると、思うように戦えていない要因が凝縮されたような試合だった。

不振で2軍落ちしていた有原が、1カ月ぶりの先発だった。そして巨人は今季1軍初登板の西舘が先発。投げてみなければ分からないとはいえ、打撃戦を制した方が優位になると思っていた。

日本ハム対巨人 3回表、失点し渋い表情の有原航平(撮影・黒川智章)
日本ハム対巨人 3回表、失点し渋い表情の有原航平(撮影・黒川智章)

打撃戦となれば日本ハムにアドバンテージがある。今試合を含め、得点力はソフトバンクと並んで217得点で12球団トップ。63本塁打はぶっちぎりのトップで、破壊力では他球団を圧倒している。しかしスタメンオーダーを見ると、首をひねらざるを得ないメンバーだった。

7番・山県、8番・五十幡、9番・梅林。山県と五十幡の守備力と走力は申し分ないが、打ち勝とうとする時に起用する選手ではない。有原はゴロを打たせるタイプの投手で守備力を重視したのかもしれないが、せめて外野は打力重視の選手は使うべき。捕手の梅林にしても、有原が2軍調整中に相性がよかったのかもしれないが、よく首を振るタイプで経験も十分なベテラン投手なら、打撃を優先して田宮の起用でよかったと思う。

日本ハム対巨人 7回裏日本ハム無死、本塁打を放つカストロ(撮影・黒川智章)
日本ハム対巨人 7回裏日本ハム無死、本塁打を放つカストロ(撮影・黒川智章)

戦力がないなら仕方ないが、控えには代打本塁打を放ったカストロ、代打ヒットを放った野村もいた。今試合は途中出場してノーヒットだった細川も、山県よりは結果を出している。序盤に4点をリードされ、4回裏1死一、二塁では下位打線に打席がまわってきたが、代打を出してもよかったと思ったほどだった。

そして致命傷のミスとなったのが、3回の水野のエラーだった。先頭打者のなんでもないゴロを握り損ねてファンブル。痛い失点に結び付いた。今季の日本ハムのエラー数は37で、12球団ワースト。2位のヤクルトが29なのだから、どれだけひどい数字か分かるだろう。

日本ハム対巨人 選手交代を告げる新庄剛志監督(撮影・黒川智章)
日本ハム対巨人 選手交代を告げる新庄剛志監督(撮影・黒川智章)

新庄監督はいろいろなポジションを守らせるが、センターラインはある程度固定させた方がいい。今試合でも浦田に二盗を2度、三盗を1度決められている。特に問題なのが三盗で、これはショートやサードにも責任がある。バッテリーに三盗を警戒するように声をかけるだけでも走者は走りにくくなる。水野にしても郡司にしてもある程度、専門にしているポジションならケアしなければいけない。特に復帰戦の有原、今季初スタメンの梅林ならフォローしなければいけなかった。

選手の駒はそろっていても、うまく機能させられなくては意味がない。チームのストロングポイントで勝負できる試合を逃し、弱点は改善しないままでいる。力があるのに思うように勝てない要因だと思っている。(日刊スポーツ評論家)