武南はチャンスであと1本が出ず、県大会出場を逃した。

先発の石橋凪仁(なぎと)投手(2年)は、8回を被安打5の1失点で完投。6回に適時打を許した失投を悔やみ「あそこの1球で、流れが変わってしまった」と振り返った。

打撃でも4番に座った。しかし焦りから力んでしまい浦和実・清田光投手(1年)を最後まで打ち崩せず、4打数3三振。9回、先頭で迎えた打席ではカウント2-2から三振を喫し、打席で悔しそうにグラウンドを見つめた。「(投手として)打たれたのが1番悔しいけど、あの(9回の打席の)場面が2番目に悔しかった。自分が出て、ホームにかえってきて逆転できると信じていたので…」。

最速143キロ右腕。プロ野球選手になるため「空振りがとれる直球」を磨いている。「来年の夏までに最速150キロ」という目標に向けて、悔しさを糧にする。

今夏の県大会は2年生を中心としたチームで、5回戦で昌平に7-8でサヨナラ負けを喫した。主力が残った新チームで臨んだこの日も、1点差と接戦を落とした。試合後、すぐに選手を集めてミーティングを行った新井功監督は「昌平に1点差で負けて、今日も1点差。これは偶然じゃないよと。なぜ1本が出ないのか考えて、克服しようと伝えました」。目標としていたセンバツ出場には届かなかったが、夏に向けてさらにチーム力向上を目指す。