10月1日、シアトルのマリナーズ本拠地Tモバイル・パークでの練習中での出来事です。イチローさんとハトが何やら絡んでいました。
サンディエゴのペトコパークでエンゼルス大谷翔平の練習風景をハトがスタンドからじっと見ていたことがありました。過去にもメジャーの選手たちと絡むハトは多くいましたが、今回ほど至近距離のハトはそういません。
キャッチボールなどを終えたイチローさんは、試合前の練習に参加します。正直言って、すでに引退したとはとても思えない俊敏な動きをカメラで追っていると、何かを見つめながら、かつての守備位置のエリア51に走ります。視線の先には何かをついばむハトがいました。
イチローさんは興味津々で近づきますが、飛び立つ気配はありません。しゃがみ込んで、再び立って、またしゃがみ込んで、のぞきこみますが、ケガでもしているのか微動だにしません。イチローさんは心配そうな様子でしたが、ようやく歩き出してちょっと安心した表情に。そうこうしているうちにフリー打撃のスタートです。
ハトの横でストレッチをしてから、打球を待つイチローさんは、少し落ち着かない様子です。その一方で、全く動じることなくひたすら何かをついばむハト。その豪胆ぶりを笑顔で見つめます。イチローさんがセンター方向へ飛んだ打球を拾い集めた数分後、ようやくハトは飛び立ちました。
今年のマリナーズはとても強く、最後の最後までプレーオフ争いをしていました。球団スタッフによれば、このハトはよくライトのポジションに現れる常連さんだそうで「こいつがウチのラッキーチャームかも」と話していました。【菅敏】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「カンビンの観たい撮りたい伝えたい」)