カンビンこと菅敏(すが・さとし)です。今年も再度米国に戻って参りました。大谷翔平選手らのパワー全開、スマイル満開の姿をファインダー越しに見られる幸せをかみしめつつ、このコラムでは、クスッと笑える写真や、旅で起こる楽しいエピソードなどもご紹介します。
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11月1日、ワールドシリーズ第7戦。
前日に6回を4安打1失点と力投した山本由伸選手。試合後の会見では「明日は全力で応援に専念します」と笑顔で話していました。誰もが、そうなると思っていました。
しかし、この日試合の序盤。山本選手はブルペンに姿を見せ、ストレッチをしたり、シャドーピッチングをしたりと、落ち着かない様子。味方の攻撃中には、祈るように試合を見つめていました。
ところが9回、ふとブルペンをのぞくと――山本由伸選手がパーカー姿で投球練習を始めているではありませんか。
「まさか、中0日で?!」その場にいた記者たちも驚きを隠せません。やがてパーカーを脱ぎ、本格的な投球練習へ。私も撮影ポジションを急いで変え、レンズ越しに祈るような気持ちでその瞬間を追いました。
そして9回裏、1死一、二塁のピンチで登板。味方の好捕にも助けられ、この回と次の回を見事にしのぎます。迎えた11回、ランナーを背負いながらも最後はダブルプレーで試合を締めくくり、ドジャースが世界一に輝きました。
山本選手は、このシリーズ3勝目を挙げ、堂々のMVPに選出。表彰式では名前がコールされ、トロフィーが手渡されます。手にした山本選手は満面の笑み。その隣で、チームメートのキケ・ヘルナンデスが「持ち上げろ!」とジェスチャー。思い切ってトロフィーを掲げますが、ずしりと重そうなトロフィーに、途中で動きが止まりかけた瞬間、すかさずキケが支え、2人の手で高々と掲げられました。
その瞬間、選手、スタッフ、家族、ファン、そしてオーナーのマジック・ジョンソン氏までもが大歓声に上げます。いつも笑顔を絶やさない山本選手ですが、この日の笑顔はまさに格別。私にとっても、一生忘れられない瞬間となりました。
山本由伸選手、LAドジャース、そしてファンの皆さま、本当におめでとうございました!【カメラマン・菅敏】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「カンビンの観たい!撮りたい!伝えたい!」)





