トレード期限でブルージェイズからアストロズに移籍した菊池雄星投手(33)が、新天地で快投を続けている。8月2日の移籍後初登板から3試合で計16回2/3を投げ2勝0敗、防御率2・70、24奪三振。今季ブルージェイズで登板した22試合では4勝9敗、防御率4・75と苦戦していたが、移籍後は成績が格段に良くなっている。
投手がアストロズに移籍した途端に見違えるようにレベルアップするという事例はこれまでもあった。有名なのは現在ヤンキースで絶対的エースとして活躍している右腕ゲリット・コール(33)だ。メジャーデビューした2013年から5年間パイレーツに所属していたコールは、その間に59勝42敗、防御率3・50、734奪三振と好投手ではあったが、メジャー屈指のエースというレベルに到達したのはアストロズに移籍してからだった。18年1月にパイレーツからアストロズにトレードされ、2年間で35勝10敗、防御率2・68、602奪三振と成績がワンランクアップしている。
コールが移籍し最初にフロント陣と顔合わせをしたとき、自分の投球映像とデータやチャート、分析シートを大量に抱えた幹部らが現れたという。そこでいきなり「あなたはもっとすごい投手になれる」と言われ、そのために持ち球の使い方や割合、ロケーションなどをどう完成すべきか具体的に説明されたという。それに耳を傾けたコールは、投手として一皮むけた。
菊池の場合もそのようなミーティングが行われたのだろうか。移籍後はやはり持ち球の使い方や割合が変化している。例えば、ブルージェイズ時代にはチェンジアップを10・9%としか使わなかったが、アストロズ移籍1戦目のレイズ戦ではチェンジアップを26・3%使い、5回2/3で11三振を奪っている。またスライダーもブルージェイズ時代より割合を増やし、しかも被打率や空振り率を大幅に向上させ、効果的に使えるようになった。フォーシームに関しては、割合はほぼ変化していないが、使い方を変えた。米野球専門メディア「ジャスト・ベースボール」のチャップ・カニングハム記者によると「移籍前は左打者に対して高めに投げたが、移籍後はフォーシームで左打者の外角低めを攻めるようになった」という。
アストロズの明晰(めいせき)なデータ分析でメジャーのトップエースに上り詰めたコールのように、菊池も一段上のレベルに到達するのか。今後の登板にも注目したい。【水次祥子】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「水次祥子のMLBなう」)




