あと2週間、早かったら…。メジャーで二刀流VS二刀流の対戦が早くも実現していたかもしれない。

一塁手と投手として育成されているレイズのブレンダン・マッケイ投手(23)が29日(日本時間30日)、投手としてメジャーデビュー。レンジャーズ戦に先発し、6回1安打無失点で初先発、初勝利を挙げた。約2週間前の13日は、エンゼルス大谷がレイズ戦でサイクル安打を達成。くしくも大谷が先に歴史を刻んだトロピカーナフィールドで、マッケイも華々しくデビューを飾った。

昨年7月下旬は、レイズ傘下の1Aに所属していた。同じ二刀流の大谷については、ソーシャルメディアや映像で日々チェックしていたという。「7回までノーヒットだった試合はよく覚えているよ」と話し、4月8日のアスレチックス戦で7回1死までパーフェクトに抑えた大谷の姿は鮮明に記憶している。それを意識していたとは思えないが、自身もデビュー戦で6回1死まで完全投球。メジャーの舞台で強烈な印象を残した。

レイズの地元記者によれば、マッケイは打撃面にやや課題がある一方で、投手としては着実に成長を重ねてきたという。実際、今季2Aと3Aで計13試合の登板で6勝0敗、防御率1.22。圧倒的な成績を残し、レイズのキャッシュ監督も「近いうちにメジャーで投げることを検討していく」と、メジャー昇格を示唆していた。

レイズは今季、ア・リーグ東地区2位。首位ヤンキースと現時点で7ゲーム差だが、ワイルドカード争いでは1位と好位置につける。それだけに、マッケイの起用は「育成」というよりも「戦力」としての意味合いが強いだろう。

7月以降、エンゼルスとレイズの公式戦は9月13日からエンゼルスタジアムで3連戦があり、二刀流対決の可能性はまだ残されている。また来季なら、「打者大谷VS投手マッケイ」だけでなく「投手大谷VS打者マッケイ」という2通りの対決が実現する可能性もある。いずれにしても、今後が楽しみなマッケイのメジャーデビューとなった。【MLB担当=斎藤庸裕】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」)

レンジャーズ戦に先発し、メジャー初勝利を挙げたレイズ・マッケイ(AP)
レンジャーズ戦に先発し、メジャー初勝利を挙げたレイズ・マッケイ(AP)