エンゼルスタジアムで行われた13日からのレイズ3連戦で、左膝手術後の療養にあてた大谷翔平投手(25)は球場に姿を現さなかった。レ軍には、大谷との初対面を期待していた二刀流選手がいた。今年6月下旬にメジャーデビューした左腕マッケイだ。「楽しみだったし、彼がこれまでやってきた経験についても聞いてみたかった」。投打の準備への時間の使い方、体のケアの仕方、二刀流でこそ分かる貴重な会話は、惜しくも実現しなかった。

昨年、大谷の投打の活躍で広がりつつある二刀流の門戸。「僕だけでなくて、他の選手にも二刀流でやる可能性が広がった」とマッケイは話した。エンゼルスとレイズ以外には、レッズの外野手兼投手のロレンゼンが今季、本格的な二刀流として注目を集める。中継ぎで防御率3・12の結果を残しているが、「僕は一般的なチェンジアップしか投げられないから、大谷にスプリットを教えてもらいたいんだ」。さらなるレベルアップへ、大谷との交流を期待していた。

マッケイは15日のエンゼルス戦で8回に代打で登場し、7打席目にしてメジャー初安打を放った。ロレンゼンは4日のフィリーズ戦で本塁打を打って勝利投手になり、外野守備にもついて大活躍。ベーブ・ルース以来の偉業を成し遂げた。大谷に続き、二刀流選手たちが最高レベルのメジャーで頭角を現してきた。

打者に専念した今季、大谷はシーズン終了までプレーできなかった。来季の二刀流復帰へ、まだまだ発展途上の部分もある。昨年、レイズのマッケイについて「機会があれば話してみたいというか、勉強になることはたくさんあると思う」と話していた。投打ともにプレーできる状態を維持し、シーズンを乗り切る。二刀流同士の切磋琢磨(せっさたくま)が、その可能性を高めるかもしれない。【MLB担当=斎藤庸裕】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「ノブ斎藤のfrom U.S.A」)