大谷翔平投手(29)がドジャースと10年総額7億ドル(約1015億円)で契約したのに続き、オリックスからポスティング制度で米移籍を目指す山本由伸投手(25)の動向に注目が集まっています。現時点で、山本への条件は総額3億ドル(約420億円)とも見込まれており、有力球団の間で激しい駆け引きが続いています。
また、DeNA今永昇太投手(30)が総額1億ドル(約140億円)と予想されるほか、今後は日本ハム上沢直之投手(30)、楽天松井裕樹投手(28)の動きも加速するものと見られており、今オフのFA市場では日本人投手の話題が尽きません。
米球界で最高の選手として認められた大谷は、ある意味で当然かもしれませんが、メジャーでまだ1球も投げていない日本人投手が、どうしてここまで高く評価されるようになったのでしょうか。もちろん、野茂英雄をはじめ、これまで数々の日本人投手が残してきた実績が、メジャー全体に確かな信頼感として浸透したことは間違いありません。今年3月のWBCで侍ジャパンが最強メンバーで臨んだ米国を破り、日本球界のレベルの高さを実証したことも背景にはあるでしょう。
ただ、それだけで巨額資金を投資するのは少しばかり冒険ですが、近年のメジャー球団は各選手の正確な数値を調査し、他のメジャー選手と比較したうえで、各選手の評価を決定しています。山本の代理人を務めるジョエル・ウルフ氏は、近年、日本の各球場にデータ分析システム「スタットキャスト」などが普及したことをプラス面として指摘しています。「メジャーの各球団は山本の1球、1球のデータを持っているし、メジャーの投手ともデータ比較ができる。山本の持ち球すべてがエリート級のレベルというのが分かっており、25歳という年齢もあり、今後、さらにレベルが上がると期待されている」と、巨額投資の背景を分析しています。
たとえば、上沢の場合、ア・リーグ球団のスカウトによると、「速球は時速150キロ前後とメジャーでは平均レベルだが、スピン率が高く、空振りも取れる」と評価されています。今永や松井にしても、各球種の配分、変化量、空振り率など、実に細かいデータで分析されるなど、ネット裏のスカウトの「目」だけでなく、トータルで評価されています。野手にしても、打率や本塁打数だけでなく、「OPS」(出塁率+長打率)、打球速度、打球角度など、多種多様なデータで評価されています。
今後、日本からメジャーを目指す選手は、体力や技術レベルを上げるだけでなく、時には数値をチェックする必要もありそうです。【四竈衛】(ニッカンスポーツ・コム/野球コラム「四竈衛のメジャー徒然日記」)




