4月末から新たにドジャース取材に加わった滝沢徹郎(たきさわ・てつろう)カメラマンが、メジャーリーグの空気感や現地の熱気、大谷選手の魅力を、初取材ならではの視点で伝えていきます。アメリカで見る野球の風景と選手のさまざまな表情を、写真とともにお楽しみください。
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大谷さんが、3度目の復帰登板のロイヤルズ戦で自身のメジャー最速を記録しました。
復帰初登板でいきなり100マイル(約161キロ)を投げたとき、ロバーツ監督は「気持ちは分かるが、できれば抑えてほしかった」と苦笑いしていました。まだリハビリ段階。チームとしても再発を絶対に避けたい思いがあるのでしょう。
しかし練習とは違い本番になるとアドレナリン全開になるのが人間・大谷さんというもの。寒さとは無縁の蒸し暑いカウフマンスタジアム、15時10分試合開始。この温度なら充分に体は動きます。
1回裏、早々に大谷さんは100マイル(約161キロ)を計測!「速いぞ!これはもっと出てしまうのでは…」と心が騒ぎました。撮影中なので、常に球速を見る事は出来ませんが、なるべく見る様に心がけました。そして1死一、二塁、打者パスクアンティノで先制されかねないピンチを迎えました。ここで大谷さんがギアを一段上げるのが、ファインダー越しでもはっきり分かりました。体の張り、腕の振り、目の鋭さ…すべてが変わる瞬間でした。
その1球。二ゴロ併殺に仕留めたボールは、なんと101.7マイル(約164キロ)!自身のメジャー最速更新、そして今季ドジャース投手陣でも最速の球速です。まさに「まだ復帰途中」の投手とは思えない1球でした。
試合後の大谷さんの言葉に、さらに驚かされます。
「まだ思いきり投げる、投げようとは思ってはなかったですけど。やっぱりどうしてもランナーが二塁に行ったりとか、ランナーがたまってくると、どうしても打たれたくないという気持ちの方が先行して、どうしても上がってくるので。自然に上がってしまってるなという感じがあると思います」
つまり、出そうと思って出したスピードではないということ。あの球速すら「自然に出てしまった」とは…。本当に底知れない選手だと改めて感じました。【カメラマン・滝沢徹郎】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「タッキーのWEEKLY SHO!Time!!」)





