メジャーリーグは7月30日(日本時間31日)にトレード期限を迎えました。ドジャースは三角を含む4件のトレードを行い、5人の選手を獲得。デーブ・ロバーツ監督も「フロントは非常に良い仕事をした」と言ったように、世界一へ向けた戦力補強で大成功を収めました。

最大の補強は、トレード期限ぎりぎりにタイガースから先発右腕ジャック・フラーティ投手を獲得したことです。結果的に超目玉だったホワイトソックスのギャレット・クロシェット、タイガースのタリク・スクバル両投手とも残留したため、ドジャースにとって最高の先発投手を獲得したことになります。

フラーティは地元ロサンゼルス近郊の出身で、まだ28歳と若いピッチャー。それでいながらカージナルス時代にエース経験があり、ポストシーズンでも登板。今季はタイガースで先発18試合中12試合で6イニング以上投げるなど、抜群のスタミナと安定感があります。また、タ軍では速球とスライダーを武器に奪三振率11.22、奪三振と与四球の比率7.00とリーグ屈指の数値をマークしていました。まさにブランドン・ゴームズGMがターゲットにしていた「インパクトのある投手」と言えます。

これでポストシーズンは、エースのタイラー・グラスノーを筆頭に、新戦力のフラーティ、昨年10月の左肩手術から9カ月ぶりに復帰したクレイトン・カーショー、今年6月の右肩腱板(けんばん)損傷から復帰を目指す山本由伸の4人が中心になりそうです。中でも、若いフラーティと山本の活躍が大いに注目です。

救援陣に目を移すと、ホワイトソックスから剛腕マイケル・コペック投手を獲得しました。今季先発からリリーフに再転向し、弱小球団のクローザーながら9セーブと活躍。最速102マイル(約164キロ)の剛速球を武器とし、このところ不調なリリーフ投手陣の救世主になること請け合いです。

その他にも、ムーキー・ベッツ、マックス・マンシー、ミゲル・ロハス、クリス・テーラーと、故障者が続出する内野の選手層を厚くするため、常勝軍団のカージナルスからトミー・エドマン内野手を獲得しました。昨年WBC韓国代表に選ばれ、日本でも知名度がある選手です。21年ナ・リーグ二塁手部門でゴールドグラブ賞に輝き、その後は主に遊撃や中堅を守る超一流のユーティリティープレーヤー。今季は右手首手術の影響で1試合もプレーしていませんが、間もなく復帰予定です。チームにとって最大の課題であるショートとセンター両方を補ってくれます。

同時にレイズからアメド・ロサリオ内野手を獲得しました。昨年7月にガーディアンズから、今年7月はレイズからと、2年連続でドジャースにトレード期限にやって来た貴重な内野手。今季は打率3割7厘を残し、左右両投手から3割を残す好打者でもあります。

極め付きは、ブルージェイズからケビン・キーアマイヤー外野手を獲得しました。今季限りで現役引退を発表していますが、球界を代表するセンターフィールダー。これまで4度もゴールドグラブ賞に輝き、ポストシーズンの経験も豊富。センターの穴を埋めるのに打ってつけの存在と言えます。

昔からペナントレースはけが人の少なさで決まると言われますが、この選手層の厚さがあれば、12年間で11度目の地区優勝も間違いなし。勝つためにドジャースにやって来た大谷翔平投手が目指す、世界一への準備が整ったと言えます。

【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)