ドジャース大谷翔平投手が、23年8月9日以来749日ぶり、ドジャースで初勝利を手にしました。2度目の右肘手術から復帰後、11度目の先発で待望の勝利投手となり、投打二刀流での世界一に向けて大きな勝利となりました。
さて、9月1日(日本時間2日)は米国でレーバーデー、いわゆる労働者の日。毎年9月第1月曜日は、レーバーデーの祝日で3連休となります。それが終わると秋を迎え、メジャーリーグのペナントレースも大詰め。いよいよ、地区優勝を決する瞬間が刻一刻と近づいて来ます。
ナ・リーグ西地区でドジャースは、7月3日時点で2位パドレスに9ゲーム差を付けて独走していました。13年以来13年間で12度目の地区優勝は、ほぼ確実かと思いました。ところが、7月末のトレード期限で22人を動かす大がかりな戦力補強に成功したパドレスに猛追され、8月22日からの直接対決で2連敗。一時は首位の座を明け渡しました。
過去の歴史を振り返ると、ドジャースは逆転優勝された苦い経験が、何度もあります。最も有名なのは1951年ジャイアンツに最大13ゲーム差もつけながら最終戦で並ばれ、プレーオフで9回裏ボビー・トムソンに逆転サヨナラ3ランを打たれて敗退。「世界中が耳にしたホームラン」と表現された史上に残る一撃でした。
1958年にニューヨークから西海岸に両チームが本拠地を移転してからも、62年8月9日時点でジャイアンツに5.5ゲーム差をつけながら、直接対決で1勝6敗。公式戦最終日に101勝で並ばれ、プレーオフの末に1勝2敗と負け越し敗北。このように長く過酷なペナントレースでは、何が起こるかわかりません。
かつて、メジャーでは公式戦の最後に地区優勝争いしそうな強豪チーム同士を激突させ、それによって優勝が決まるという、劇的なペナントレースの演出をたくらんできました。しかし、現在は仮に優勝を逃してもワイルドカードでプレーオフ進出が可能なため、逆に早い時期に優勝争いしそうなチーム同士の対戦を組む傾向にあります。
今シーズン、戦前から地区優勝争いが予想されたドジャース対パドレスも、8月15~22日にロサンゼルス、同22~24日にサンディエゴで行われた3連戦で全13試合を終え、ドジャースが9勝4敗と大きく勝ち越しました。ドジャースは仮にシーズン最終戦で同率首位に並ばれても、地区優勝となります。
そこで一番気になる地区優勝の行方ですが、ドジャースは残り25試合のうち6試合、一方のパドレスは残り25試合で9試合が勝率5割以上のチームと対戦。また、ドジャースが勝率5割以上のチームに対し好成績を収めているので、数字上ではドジャースがやや有利に見えます。
しかしながら、私はパドレス有利と見ます。なぜなら、ドジャースは宿敵ジャイアンツと7試合も残しているからです。既にジャイアンツはワイルドカード争いからも脱落していますが、昔から「ドジャースには絶対優勝させたくない」という強い思いがあるからです。
加えて、パドレスがホーム16試合に対し、ドジャースは10試合しか残っていません。両チームともホームゲームに強く、勝率6割5分近くをマークしています。逆にドジャースは、ロードでは33勝33敗と勝率が5割です。
そう考えると、4年連続23度目の地区優勝を狙うドジャースは全く気を抜けません。今年こそ19年ぶり6度目の地区制覇、さらに初の世界一を目指すパドレスにもまだまだ逆転優勝のチャンスがあり、熾烈(しれつ)な一騎打ちは最後の最後までもつれる展開になりそうです。【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)




