大谷翔平投手が、史上2人目のMVP総ナメとなるでしょうか。

ドジャースが2年連続26度目のリーグ優勝を決め、ナ・リーグ優勝決定シリーズで大谷が見事MVPに輝きました。何しろ、ブルワーズとの第4戦に先発して7回途中2安打無失点。今シーズン2度目の右肘手術から復帰後最多の100球で10奪三振をマーク。さらにポストシーズン史上11人目の1試合3本塁打という、米国野球史上最高とも言えるパフォーマンスで人々を熱狂させました。

そして、現地24日(日本時間25日)からは、いよいよ世界一を決める最後の戦い、ワールドシリーズが始まります。1903年ア、ナ両リーグ優勝チームによる初の頂上決戦が行われて以来、120年以上の長い歴史において数々の名勝負を繰り広げて来ました。

その中で最も有名な名勝負や名場面と言えば、まずは1956年ドン・ラーセン(ヤンキース)の完全試合が思い出されます。当時、同じニューヨークに本拠を置くドジャースとの通称「サブウェーシリーズ」で史上初のパーフェクトゲームを達成しました。

次に、77年レジー・ジャクソン(ヤンキース)の1試合3本塁打です。宿敵ドジャースに王手をかけた第6戦で3打席連続ホームラン。ワールドシリーズではベーブ・ルースに次ぐ史上2人目の快挙で、名門球団を15年ぶりの世界一に復活させて、「ミスター・オクトーバー」の称号を得ました。

他にも60年の第7戦ビル・マゼロスキー(パイレーツ)のサヨナラ本塁打、88年の第1戦カーク・ギブソン(ドジャース)の代打逆転サヨナラ本塁打、91年の第7戦ジャック・モリス(ツインズ)による延長10回1-0の完封勝利といった数々の名勝負や名場面がありました。

また、大舞台で投打に活躍した投手という意味では、70年、後に「20勝カルテット」の1人となるデーブ・マクナリー(オリオールズ)が、初めて投手で満塁ホームランを放ち、話題となりました。

ところで、今年大谷はナ・リーグMVPが確実視されており、もしナ・リーグ優勝決定シリーズに続いてワールドシリーズもMVPに輝けば、79年のウイリー・スタージェル(パイレーツ)に次いで史上2人目の快挙となります。

その年「ポップ」(お父さん)の愛称で親しまれたスタージェルは、強烈なリーダーシップでチームの地区優勝に貢献し、ナ・リーグMVPを獲得。さらにリーグ優勝決定シリーズで打率4割5分5厘、2本塁打、6打点、ワールドシリーズも打率4割、3本塁打、7打点の活躍でMVPに輝きました。

ちなみに、球界を代表する左のスラッガーとして鳴らしたスタージェルは、69、73年にドジャースの本拠地ドジャースタジアムで場外本塁打を記録。今年、そのスタージェル以来52年ぶりにカイル・シュワバー(フィリーズ)、さらにリーグ優勝決定シリーズで大谷がライト場外へ超特大本塁打を放ちました。

はたして、最大の舞台となるワールドシリーズでは、投打二刀流の大谷がどんな歴史的パフォーマンスを見せるか? そして、殿堂入りスタージェルに次ぐ史上2人目のMVP総ナメとなるか? 今世紀メジャー初の2年連続世界一を懸けた最後の戦いに注目です。【大リーグ研究家・福島良一】(ニッカンスポーツ・コム/MLBコラム「福島良一の大リーグIt's showtime!」)