「呪い」を打ち破りワールドシリーズ王者となったカブス。今シーズンは上原浩治投手も加入し、現在ナ・リーグ中地区でブルワーズと首位争いを展開している。そのカブスが首都ワシントンで現地27から28日にかけて立て続けに混乱に陥る事態となった。

 発端は26日からのナショナルズとの4連戦の2戦目である27日のゲーム。この一戦でカブスは7つもの盗塁を許し、1対6で大敗を喫したことだった。ゲーム後被7盗塁の原因についてこの日マスクを被っていたベテラン捕手、ミゲル・モンテロが「投手陣は誰も走者を塁上に留めておけなかった。自分がどれだけフットワークやスローイング、全てに気をつけていても難しかった。投げるチャンスがなかったんだから。それが今日右往左往した原因だ。彼はマウンドでの動きが悪かった。単純にそれだ」と投手陣、特に先発のジェイク・アリエッタを批判したのである。

 これに対しジョー・マドン監督は当初モンテロを擁護する姿勢も見せていたのだが、直後に地元スポーツラジオ局ESPNシカゴがチームメイトのアンソニー・リッツオ一塁手がモンテロを「自己中心的な選手」と呼び、「別の捕手に変えるべき」と発言したことを報道。チーム内の不協和音が表面化してしまったのだ。

 そしてその数時間後やはりESPNシカゴの記者が、チームがモンテロを戦力外にしたとツイッターに投稿。モンテロ自身もチームを去ることになったとやはりツイッターで明らかにしたのである。

 モンテロの放出でとりあえず事態は収束に向かうかと思われたが、翌28日今度は別の混乱がカブスを襲う。それもホワイトハウスで。

 この日の午後カブスはホワイトハウスを訪問、ドナルド・トランプ大統領に面会したのである。カブスは1月にやはりホワイトハウスを訪問し、オバマ大統領と面会していたこともあって、この日の訪問は非公式なものと発表されていた。しかしトランプ大統領は忙しいスケジュールの合間を縫ってマドン監督や選手たちに会い、記念撮影の機会を作ったということだ。

 が、その面会の場に来たスポーツ関係者はカブスだけではなかったのである。カブスと面会している最中にトランプ大統領が突然「ダンはどこだ?ダン・ギルバートはどこだ?すぐ外にいるから、呼んでくれ」というと、プロバスケットボールNBAクリーブランド・キャバリアーズのダン・ギルバート・オーナーを招き入れたのだとか。

 ギルバート・オーナーはトランプ大統領が別件でホワイトハウスに招いていた模様だ。ただこの意外な人物の登場にはメディアも混乱した模様で「なんで彼がいるのかわからない」などといった投稿がツイッターで飛び交う事態となった。

 さらにカブスがキャバリアーズと同じクリーブランドを拠点とするインディアンズを下して王者になったこともあり、両者の間に微妙な空気が流れたらしい。トランプ大統領はこのサプライズにご満悦だったようだが。

 カブスにこのような混乱が続かないことを祈るばかりだ。