スポーツ専門局ESPNは、MLBがメジャーリーグとマイナーリーグ、双方の選手に対し、ED治療薬、サプリメントの使用に懸念があると伝えたと報じた。

記事によるとガソリンスタンドなどで販売されている市販薬の使用は選手たちの間で日常的に行われているものの、そうした際に薬物の認証機関、アメリカ国立科学財団(NSF)の認証を受けていない薬やサプリメントを使うことのリスクについて注意喚起するメモを選手に送ったという。

メモには「これらの製品はしばしば禁止されている安全でない成分で汚染されている」とし、「性的、男性機能強化製品は薬物検査を受けた選手にとって重大で現実的なリスクとなっており、これらの製品に含まれる汚染や未確認の成分の可能性が高いことはスポーツ用にNSFの認定を受けた製品のみを使用することの重要性を示唆している」と述べられている。

その上でこうした製品から禁止薬物を誤って摂取した場合でも、それが判明すれば選手は出場停止になると警告した。実際今年少なくとも2人の選手が機能強化薬物の使用により出場停止処分が下されたとしている。

市販のED治療薬は規制を受けないサプリメント産業の一部となっており、その売り上げは年間300億ドルに達しているという。食品医薬品局はこの7月汚染されたED治療サプリメントのリストに10製品を追加し、同リストに掲載されている製品の数は250を超えたとのことだ。メモには「我々の経験では、オンラインや小売店、アメリカや国際的な闇市場で販売されているこうした性的、男性機能強化製品の多くにはタンパク同化ステロイドや禁止成分が含まれている」とも記されている。

その上で「勃起不全や性的機能に関連する正当な問題に苦しんでいる選手は、これらの症状を治療するために利用できるさまざまな処方薬(バイアグラ、シアリス、レビトラなど)について認可された医師に相談する」ことを推奨した。

スポーツの世界では禁止薬物の使用に対する検査は厳しくなる一方で、偽造ED治療薬が広く出回っていることも盛んに報じられている。それだけに今回の件はMLBだけでなく世界的な懸念となっていきそうである。