現地3日、ロブ・マンフレッドMLBコミッショナーと民主党の次期大統領候補で、急進左派として知られる上院議員バーニー・サンダース氏が会談した。

これは2020年で現在MLBとMiLBが結んでいる協定が失効することに対し、マイナーリーグベースボール(MiLB)への経費節減のための計画を巡るもの。報道ではMLBは現在約160あるMiLBのチームのうち、26パーセントにあたる42チームを削減する、削減対象となるのは主にショートリーグやルーキーリーグなど下層に属するチーム、MLBの1チームが保有する選手数を現在の260超から150人に減らす、ドラフトでの指名ラウンドを現在の40巡から20巡に減らすことを目指しているとされている。

この報道が出た直後にサンダース氏は「マイナーのチームを減少させることは、野球ファン、職員、さらに国中のコミュニティーにとって損失になるだろう。我々は団結してこれらのチームを守らなくてはいけない」とするコミッショナー宛の書状を公開していた。さらに1Aのコネチカット・タイガースが本拠とするコネチカット州ノーウィッチのピーター・ナイストロム市長が反対を表明するなど反発が強まっていたのである。

そうした状況をMLB側も理解し、この日の会談につながったようだ。会談後MLBは声明を出し、「MLBは、メジャーリーグチームのない全米のコミュニティーにとってプロベースボールの重要性を十分に認識しており、国民の娯楽として、国内の数千万人のファンの支援に感謝しています。MLBは、マイナーリーグスタジアムに投じられる公金が慎重に、すべての市民の利益のために使われることを保証するという、地域コミュニティーに対する義務があることも理解しています」とした。

さらに「MLBは、地域コミュニティー、MLBクラブ、マイナーリーグのオーナー、プロベースボール選手になるという夢を追求する若い選手たちという競合する利益のバランスをとる解決策を見つけるため、MiLBと交渉することを約束します」とも述べている。

これに対しサンダース氏は会談できたことを感謝しつつ、コミッショナーが「誠実な交渉を約束した」とし、「42のコミュニティーでプロベースボールを維持しつつ、マイナーリーグの選手の施設、労働条件、および賃金に関する懸念に対処する解決することを受け入れた」と前向きな姿勢を引き出したことを強調する声明を出した。その上で「自分と議会の他のメンバーは、ファンに代わって交渉の進行状況を注意深く監視するだろう」とコメントしている。

一時は大統領選挙にも絡むような大問題へと発展しそうな情勢だったが、大人な落としどころに落ち着いた印象だ。とはいえ、このMiLB運営を巡る問題は決着したわけではない。来年に向けて実際どう解決するかたしかに監視し続けることが必要だ。