三度目の正直で「夢」はかなうだろうか。MLBは現地23日、来年8月12日に映画「フィールド・オブ・ドリームス」を記念した特別試合「MLB・アット・フィールド・オブ・ドリームス」をアイオワ州ダイアーズビルで開催すると発表した。

この特別試合は1989年の映画「フィールド・オブ・ドリームス」へのオマージュとして今年初開催される予定だったもの。映画ではトウモロコシ畑に造られたフィールドに“シューレス”ジョー・ジャクソンなど1919年のホワイトソックスの選手などが畑の中から現れ野球をプレーする。映画で使用されたフィールドに隣接した場所に8000人収用のスタンド付きのフィールドやクラブハウスなどが造られる計画だった。さらにフィールドとはトウモロコシ畑を通る小道が造成され、映画のようにトウモロコシ畑から現れるような演出も行われるとされていた。

当初の予定ではホワイトソックスとヤンキースが今年8月にこの試合を行う予定だったが、新型コロナウイルスの流行がこの試合にも大きな影響を与えることになったのである。6月にいったん中止が発表されたが、その後遅れてのシーズン開幕が決まると今シーズンのみ同地区の対戦だけとなったため、ホワイトソックスとカージナルスの組み合わせで行われると発表された。が、結局中止に追い込まれてしまったのである。

もちろん今年中止や延期となった特別試合はこれだけではない。ロサンゼルスで開催予定だったオールスターゲームとホームラン・ダービー、ロンドンで開催予定だったカージナルスとカブス戦やその他の国際試合は中止となった。さらに7月24~27日にニューヨーク州クーパーズタウンで開催予定だった全米野球の殿堂ウイークエンドはデレク・ジーター氏とラリー・ウォーカー氏の殿堂入りセレモニーも含めて来年に延期されている。

さらに来年のMLBシーズンがどうなるかはまだ不透明なままだ。今回の開催発表に関してもMLBは「今後数カ月間で評価されるであろうイベントでファンをホストすることの実現可能性」について、試合は来年の夏の公衆衛生の状態に依存することになるとした。結局のところ開催可否は来年夏にならないとわからないのである。

それでもこの特別試合の開催発表をしたのは、来シーズンを今シーズン以上の体制で開催しようと前向きに取り組んでいることを示したのであろう。