MLBではリーグ優勝決定シリーズの熱戦が続く一方で、敗退したチームでは来シーズンに向けたチーム編成の動きも活発化している。ヤンキースは現地19日、今シーズンで契約が切れるアーロン・ブーン監督との契約を3年延長したと発表した。4年目の2025年はチームがオプションを持ち、契約金は非公表となっている。

ヤンキースは今シーズン、ア・リーグ東地区2位タイの92勝70敗でプレーオフに進出したものの、1試合制のワイルドカードゲームでレッドソックスに敗れていた。その2週間後にブーン監督の残留が発表されている。

ブーン監督は今シーズンが就任4年目で、4年連続でポストシーズンに進出、2019年には地区優勝もしている。ただワールドシリーズには届いていない。

今シーズン開幕前にはブライアン・キャッシュマンGMが「ブーンにはあと10年は指揮を執ってほしい」と語るなど、良好な関係を築いていた。ただ開幕後6勝11敗というひどいスタートになり、その後早々に地区優勝ではなくワイルドカード狙いという苦しい戦いを強いられ、次第にその去就が話題になるようになっていたのである。ただチームは最終的にブーンを残留させることを選んだ。

このことについてブーンはオンライン会見で「ここが、私がいたいと思う場所だ」と語り、去就が注目されたことについて「現実には、うわさがあったのは知っているが、それはあくまでもうわさだ。私はヤンキースとの契約をやめたことはないし、それは継続された」と述べている。

ハル・スタインブレナー・オーナーは「我々は、アーロン・ブーンという人物と監督を得ました。彼は野球の洞察力を持ち、我々のクラブハウスで広く尊敬されており、今後も我々を導いてくれるだろう。チームとして、組織として、私たちは成長し、進化し、改善していく。我々は、より良くなる必要がある」とコメントしている。

一方で、チームはブーン残留決定に先立ち、ブーンの親友であるマーカス・テムズ打撃コーチ、P.J.ピリテリー・アシスタント打撃コーチ、フィル・ネビン三塁コーチとの契約を更新しなかった。ブーン監督はコーチ解任について「私にとって厳しい数日だった」と語っている。

キャッシュマンGMは7月のトレード期限後もチームの人材には不足があったことを認める発言をしており、今後選手の編成に大きな手を加える可能性も高い。

ヤンキース、さらに他のチームが今後どんな動きを見せていくかが注目される。