シーズン開幕を前に経済誌フォーブスが恒例のMLBチーム資産価値ランキングを発表した。これは発表されているデータなどを元に同誌がチームの自己資本と純負債を合わせて企業価値額を算定したものだ。

今回、最も資産価値が高いと判定されたのはヤンキースで、昨年から18%増の71億ドルだった。ヤンキースは1998年にこのランキングが発表されるようになってからずっと首位をキープしている。また、昨年発表されたプロフットボールNFLのダラス・カウボーイズの80億ドルに次いで世界で2番目に価値が高いスポーツチームとなっている。

2位はドジャースで48億ドル、3位がレッドソックスで45億ドル、4位カブスで41億ドル、5位37億ドルのジャイアンツと、いずれも大都市を拠点とするチームだった。

平均資産価値は23億2000万ドルで、12%増となった。2022年シーズンの収入は7.8%増の103億ドルで、史上最高を記録している。その要因は、昨年は収容人数の制限がなくなったことで、スプリングトレーニングやポストシーズンを含むチケット収入が64%増の24億ドル、スイートルームなどのプレミアムシーティングが35%増の11億6000万ドルとなったことが大きいようだ。

チームの成績が資産価値の上昇につながったのがマリナーズだ。昨シーズンは2001年以来となるプレーオフ進出を果たし、今回評価額が29%増の22億ドルに達した。さらに営業利益においても全チームでトップの8600万ドルを記録している。

一方で営業損失を計上したチームも10チームあった。最も損失額が大きかったのはメッツで1億3800万ドルの赤字となっている。メッツは資産価値としては29億ドルで6位だが、スティーブ・コーエン・オーナーのぜいたく税を気にしない大型契約の連発が原因となっているようだ。

一方で、来年に向けて大きな不安要素もある。14チームがローカルテレビ放映契約を結んでいるダイヤモンド・スポーツ・グループが破産申請を行ったのだ。前述のヤンキースのような大都市チームの場合、独立したローカルケーブルテレビ局と放映契約を結んでいるため影響は出ないと見られているが、同社のローカル局と契約していたダイヤモンドバックスやレッズ、ガーディアンズ、ロッキーズなどは地元地域での試合中継が不透明になっているばかりか、得られる放映権料が減ると予想されているのである。

来年のランキングにどんな影響が現れるかも注目したい。