ポスティングシステムを使ってメジャー挑戦を目指す日本ハム大谷翔平選手(23)が米時間3日(日本時間4日)、超名門にして大本命と目されていたヤンキースを含む14球団を、書類による1次審査で「お断り」した。大リーグ研究家の福島良一氏(61)に大谷の行動について聞いた。 

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 普通じゃ考えられない。ヤンキースはメンツをつぶされた思いでしょう。これまでもAロッドやクレメンス、ランディ・ジョンソンら欲しい選手の多くを獲得してきました。他球団の主力を金に物を言わせてかき集める様から「EVIL EMPIRE(悪の帝国)」と呼ばれるほどです。

 実際、代理人はヤ軍も最終候補として残すよう勧めたそうです。ただ「書類選考」の段階でヤ軍を除外する決断には日本ハムの、特に栗山監督の影響があるように思います。同監督は大谷がまだポテンシャルを出し切っておらず、学びながら成長してほしいという趣旨の発言をしてますから。

 ヤ軍は近年、若手育成に力を入れていると言われます。でも活躍している生え抜きは一握り。13年ドラフト2巡目(全体66位)の加藤豪将はまだ2Aにも昇格できていません。常に優勝が義務付けられ、結果がでなければファンもメディアも黙っていない。大谷が試行錯誤しながら成長していくのを、のんびり見守ってくれるような球団ではないのです。

 それにヤ軍は過去に1度も二刀流を試したことがありません。あのベーブ・ルースですら打者に専念させた保守的なチーム。二刀流挑戦に不向きで、自分を磨くのにも適さないと判断したとすれば大谷の賢い選択とも言えます。(大リーグ研究家)