ダルビッシュと前田を擁したドジャースが29年ぶりにワールドシリーズまで勝ち上がった。プレーオフでは7月末に交換トレードで獲得したダルビッシュが先発陣の柱、在籍2年目の前田が救援陣の軸として活躍した。ヤンキース田中は日本人初のデビューから4年連続の2桁勝利。マーリンズのイチローは米通算3080安打で、ロッド・カルー(パナマ出身)を抜き、米国以外出身選手の通算最多安打となった。担当記者の印象に残った言葉は…。

 

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▽マーリンズ・イチロー「初日は誰でも特別な気持ちでいられますけど、時間がたってどう終われるかというのが、本当に問われることなので」(2月17日、メジャー17度目のシーズンを迎えたキャンプイン初日。長い年月を経てきた重みのある言葉だった=水次祥子)

 

▽ヤンキース田中「そりゃあいろいろと考えるし、僕も人間ですから、気がめいるときはある。でも関係ないですよ、マウンドに上がれば。そんな気持ちを持ってマウンドに上がること自体が、いろんな人に失礼だと思う」(2試合連続で大量失点。5月24日、翌日の登板に向けて自分に言い聞かせるように言った=水次祥子)

 

▽レンジャーズ・ダルビッシュ「ヤンキースタジアムで、そんな場所で、日本人2人が投げ合って、こういう試合になったっていうのは、すごく意味のあることじゃないかなとは思います」(6月23日、田中とメジャーで初めて投げ合い、田中は8回3安打無失点、ダルビッシュも7回2安打無失点と互いに1歩も譲らず=水次祥子)

 

▽ドジャース前田「リリーフの方が向いていると言われるのは僕にとっては悔しいというか、心外というか。そんな簡単に決まるものではないと思う」(10月23日、ワールドシリーズ開幕前日に救援の適性を聞かれて。ポストシーズンは救援で好投する一方、先発への強烈なこだわりを隠そうとしなかった=四竈衛)

 

▽ドジャース・ダルビッシュ「メジャーに来てから野球への情熱が段々落ちてきて、それにすごく悩んでいた。ここで目標を持たせてもらったというか、ワールドシリーズに出て活躍したいという目標になりました」(11月1日、ワールドシリーズ敗戦後。情熱が落ちていたという意外な本音と、雪辱を誓う言葉に悔しさがにじんだ=四竈衛)

 

▽エンゼルス大谷「本当は27にしようかなという気持ちはあったんですけど、埋まっていたので17番にしました」(12月9日、エ軍入団会見で背番号を選んだ理由への返答。主力トラウトの背番号をネタに、米国流のジョークで笑いを取った機転は二重丸=四竈衛)