【テンピ(米アリゾナ州)19日(日本時間20日)=本間翼、斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(23)が、早くもチームの核となり始めた。野手組が合流し、さっそく主砲マイク・トラウト外野手(26)と同組でフリー打撃。柵越え数では大谷が上回り、トラウトもびっくりだ。真の実力を備えた「二刀流」を中心に、チームの結束が高まっている。

 強い逆風を切り裂いて、大谷の打球は右中間へ大きな弧を描いた。この日から野手組が合流。昨季33本塁打でMVPも2度獲得しているトラウトと同組に入ったフリー打撃では各打者が風に苦しむ中、60スイングで4本の柵越え。「トラウト選手に限らず一線級で活躍している選手たちなので、見習うところはすごく多い」と至って謙虚だが、45スイングで2本塁打に終わったトラウトは「アンビリーバブルパワー!」と賛辞を贈り、大谷のバットの形状などに興味を示した。

 吹き荒れる強風に合流初日のトラウト、プホルスらの打球がフェンス手前で失速する中、大谷の打球は力強かった。「まだまだ調整の段階。(他の選手を見て、自分が)もっとこうやったらいいのかな、というところが多く見える」。参考になる部分は多いが、飛距離は引けを取らない。

 この日も午前中にブルペンで20球。異例の「二刀流」をチームメートは好意的に受け止める。トラウトは「僕らが彼を手助けしながら、良きチームメートとしてやっていきたい。彼は(二刀流が)できるだろう」。右翼カルフーンも「それこそベーブ・ルース以来。そういう可能性を持っていること自体が素晴らしい。チームとしての団結を作って、やっていけたらいいと思う」とサポートを誓う。

 仲間たちが大谷を認めるのは、人柄に加え、練習に対する姿勢とパフォーマンスが本物だと確信したからだ。大谷は「(野手も)全員そろって今日からという感じだったので、楽しんでできたと思います」。エンゼルスが大谷色に染まってきた。