【グッドイヤー(米アリゾナ州)5日(日本時間6日)=本間翼、斎藤庸裕】エンゼルス大谷翔平投手(23)が、尊敬する大先輩との初対決に思いをはせた。

 同地区のマリナーズ復帰が秒読みとなったイチローとの対戦が現実的となり、素直に喜んだ。高校時代からメジャーを志した大谷にとっては雲の上の存在。今季組まれているマリナーズ戦は19試合で、夢の対決が見られる可能性が広がった。この日はレッズ戦に6日ぶりに打者で出場。3打数無安打に終わった。

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 大谷の、日本の野球ファンの夢が、現実になる。尊敬するイチローの、同地区マリナーズへの復帰が秒読み段階に入った。大谷は、純粋にうれしかった。「ぜひ、僕が試合に出て一緒にできたらなと、うれしいなと思います」。今季のエ軍対マ軍は19試合。7月12日(日本時間13日)の本拠地・マリナーズ戦(アナハイム)が大谷の「二刀流ボブルヘッド人形」配布日になっていたことにも、運命的なものを感じる。

 小さいときから、メジャーの大スターだった。イチローが海を渡り、新人王を獲得したのは01年。大谷がまだ水沢リトルで野球を始める前、7歳のときだ。日本ハムに入団後、関係者を通じて食事をする機会があった。大谷は終始緊張していたというが、その席で打撃の才能をほめられ、喜んだ。同じ左打者としてあこがれの存在であるとともに、二刀流の大谷はマウンドと打席で実際に対決する可能性もある。数々の伝説を打ち立てた2人が、野球の本場で激突。日本の野球ファンにとっても、夢のようなマッチアップになる。

 久しぶりの打者出場だったこの日のレッズ戦も、大谷は第1打席に左中間を襲う長打性の打球を放った。相手のダイビングキャッチに阻まれて中飛となったが「打席の中で多く手を出していけたのはよかったかなと思います」と、手応えを口にした。今日6日(同7日)のDバックス戦(スコッツデール)もDHで出場し、その後は9日(同10日)に組まれているメキシカンリーグのチームとの練習試合に登板する予定。大谷の果てしない挑戦、その第2章の書き出しには、運命的で感動的なストーリーが用意されていた。