【ピオリア(米アリゾナ州)8日(日本時間9日)=四竈衛】マリナーズに復帰したイチロー外野手(44)がチームに合流し、初めて全体練習に参加した。約5年半ぶりとなるマリナーズのユニホーム姿を披露し、「僕より似合う人はあんまりいない」と終始笑顔を見せた。他の選手より約3週間遅れてのキャンプイン。今後は、実戦形式の打撃練習などを経て、11日(同12日)のレッズ戦からオープン戦に出場する見込みだ。

 絶え間なくこぼれる笑みが、イチローの心境を物語っていた。約5年半ぶりにマリナーズのユニホームに袖を通し、グラウンドに足を踏み入れたイチローにとって、キャンプ地ピオリアも思い入れの深い場所だった。「ここもホームですね」。約3週間遅れの合流とはいえ、チームになじむのに余計な時間は不要だった。「いろんなことが変わりましたけど、景色が変わらないですね。居心地とか。気持ちいいっス」。晴れ晴れとした表情で「キャンプ初日」を振り返った。

 妻弓子さんも見守る中、終始ハツラツとした動きを見せた。マーリンズ時代の同僚でもあるゴードンとキャッチボールで体をほぐすと、守備練習では軽やかな動きで飛球をさばいた。フリー打撃でケージに入ると、詰め掛けた約150人のファンから一斉に拍手がわき起こるほど、注目度は別格だった。「昨日から本当に人の温かみしか感じていないですね。ありがたいことで…」。古巣復帰とはいえ、立ち姿、周囲の空気にも違和感はない。マリナーズのユニホーム姿に「僕より似合う人はあんまりいないはずですけどね」とおどけるほど、心は躍っていた。

 その一方で、イチロー自身は、開幕までの調整ペースを冷静に逆算している。「今日(試合で)プレーしろと言われたらできます」と、確たる自信ものぞかせた。サービス監督によると、9日(同10日)にも実戦形式の打撃練習に移行。順調なら11日(同12日)のレッズとのオープン戦が「復帰戦」となりそうだ。