エンゼルス大谷翔平がメジャーデビューして、1カ月がたった。3月29日(日本時間30日)の開幕戦でメジャー初安打、3日後に初登板初勝利、4月は本拠地で打者デビュー後、3戦連発。圧倒的なパフォーマンスで、日本だけでなく全米でも話題の中心になった。

 4月最終週はヤンキースとの3連戦だった。昨オフ、大谷争奪戦に参戦したヤンキースは早々と、入団候補から外れた。“フラれた”形のヤンキースファンは、そのときどう思ったのか。エンゼルスタジアムで取材したファン歴15年のリッキーさん(30)は「少しがっかりしたね」。やっぱり、大谷に好意的ではないのか…と思いきや、「僕は大谷が好きだよ。ヤンキースの大ファンだけど、野球が好きなんだ。日本のベーブ・ルースだろ? 大谷を見たくて球場に来たんだ」。ひいきチームであろうがなかろうが、関係ない。とにかく大谷の活躍を見たい。話を聞いていてそんな印象を受けた。

 3連戦の初戦、1打席目で大谷は弾丸ライナーの本塁打を放った。「クレイジーだ」。ヤンキースファンの度肝を抜いたように、多くの驚きを与えた1カ月。登板日が極度の低温で延期、右手中指のマメ発症、左足首の捻挫など、実にいろいろなことが起こった。なんだか今後もドキドキが続きそう。そんな予感がする。【MLB担当 斎藤庸裕】