パイオニア魂を引き継ぐ。エンゼルス大谷翔平投手(23)が、節目のマルチ安打をマークした。3日(日本時間4日)、オリオールズ戦に「5番DH」で出場し3打数2安打。今季5度目のマルチ安打を決めた後、マリナーズ会長付特別補佐に就任したイチローについて思いを語った。

 「常に目標になるような存在かなと思いますし、それはもう、これからずっと変わらないと思うので、少しでも近づけるように毎日、毎日、頑張りたい」

 事実上、メジャー最高峰の舞台から退くイチロー。これから「二刀流」として歩みを進めていく大谷。くしくもタイミングが重なった。野茂英雄氏が投手としてメジャーへの道を切り開き、イチローは打者としてメジャー記録を塗り替え、パイオニアとして全米を驚かせてきた。今度は大谷が「投打二刀流」で、新しい時代を築く番だ。

 今日4日(同5日)からは敵地シアトルでマリナーズ3連戦となる。初戦は打者で、6日(同7日)の3戦目は投手での出場が濃厚だ。イチローとの対戦がなくなり「同じグラウンドの中でプレーするというのは、日本の選手の人にとっては憧れることだと思うので、残念な気持ち」と正直に話した。それでも、敵地のグラウンドにイチローはいる。「まずはチームが勝てるように、しっかり頑張りたい」と大谷は言った。パイオニアの後継者として、二刀流の活躍を見せる絶好の機会とする。(アナハイム=斎藤庸裕)