【アナハイム(米カリフォルニア州)18日(日本時間19日)=斎藤庸裕】ダイヤモンドバックス平野佳寿投手(34)が、20試合連続無失点でチームの新人記録を塗り替えた。エンゼルス戦の7回1死一塁で2番手として登場。安打、ボーク、四球で満塁とし、3番アップトンに犠飛を打たれ1点を返されたが、後続を抑えてピンチを切り抜けた。失点は先発グリンキーに記録され、平野は無失点。連続無失点試合を継続し、チームの勝利に貢献した。

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 「平野スタイル」を貫いた。4点リードの7回、2番手で登板し、1死満塁のピンチを招いた。「苦しかったですけど、最後は腕振って投げることを考えていた」。3番アップトンに対し、全球直球で勝負した。6球目、91マイル(約147キロ)の外角直球をとらえられ、本塁打となりそうだった打球を中堅手がフェンス際でスーパーキャッチ。抜けていれば大量点につながる状況だったが、犠飛で切り抜けた。「今日はほんと運が良かった」。味方の好守にも助けられ、自身の連続無失点試合を20とした。

 「平野節」全開。20試合連続無失点でチームの新人記録を塗り替えたことに、「すんげープレッシャーありました。もう言わんとってください」。試合前、19試合連続無失点でチーム新人記録に並んでいることを報道陣から伝えられた。「マジで知らなかったんで。『あ、えー!?』と思って」と、記録更新を意識させられたことを正直に吐露した。この日の投球に影響は「ありましたね」と即答。京都府宇治市出身の関西人らしく、笑いを交えて振り返った。

 ありのままのスタイルが、メジャーでの好成績にもつながっている。「生命線はフォークみたいになってますけど、直球を基準で考えている。それは一番最初から思っていた」と明かした。日本時代から直球のコントロールを重要視し、それを貫いてきた。この日も、19球中、15球が直球。外角ギリギリのゾーンで勝負した。球審の厳しい判定もあり、四球は与えたが「投げたいコースに投げられている。これをこのまま続けていきたい」と、手応えを感じている。

 開幕して約2カ月半。メジャーの強打者との対戦経験も生きた。最後のアウト(右飛)は通算3035安打、626本塁打のプホルスから奪った。「オープン戦の時はすごいなと思って見ていた。今回はそんな感じはなく、落ち着いていた」と、自分の投球に集中できた。ケガで離脱している大谷との対戦はかなわなかったが、試合前に対面。「しっかり治して、またここの舞台で会えるのを楽しみにしてます」と声もかけた。「かっこよく(記事を)書いといてくださいね」と、34歳の関西人メジャーリーガーは、最後も笑わせて締めた。