ヤンキース田中将大投手(29)が、14日(日本時間15日)のブルージェイズ戦で6回4安打無失点と好投し、今季12勝目(5敗)を挙げた。1日のタイガース戦から20イニング連続無失点で、9月は負けなしの3連勝となった。チームはワイルドカードでのポストシーズン進出が濃厚。田中が一発勝負で行われる10月3日(同4日)のワイルドカードゲームの先発に抜てきされる可能性が高まってきた。

大事なシーズン終盤に合わせたように田中が快進撃を続けた。味方の大量援護にも恵まれ、立ち上がりから危なげない投球。初めて得点圏に走者を背負った4回2死二塁では6番ピラーを2球で左飛に仕留めた。5回1死一、二塁のピンチでは1、2番打者をスプリットで連続三振に退けた。6回4安打無失点で8奪三振。三塁を踏ませず、余力を残して救援に託した。

「全体的にこれといって良かった球はなくて、試合の中で修正を重ねながら投げていた」。7人が右打者で占められたブルージェイズ打線に対し、外角低めのスライダーを効果的に使い、修正を繰り返しながら90球でまとめ、「集中力を切らさず、球をしっかりコントロールしながら点を許さなかったことはすごく大きなこと」とうなずいた。

9月に入り3連勝で、月間防御率は驚異の0・43。メジャー通算で64勝目となり、楽天で同僚だった岩隈を抜き、日本投手では野茂英雄、黒田博樹に続いて単独3位に浮上した。その岩隈は今季限りでマリナーズを退団することが決まり、日本球界復帰が濃厚とみられている。「マウンドに立っている姿を僕も見たい」とエールを送った。

チームはワイルドカードでのポストシーズン進出が有力となり、一発勝負のワイルドカードゲームの先発投手に注目が集まっている。田中のほか、開幕投手のセベリーノ、7月下旬の移籍後8戦5勝無敗の左腕ハップが候補。田中は「自分で決めることじゃない。気にしてもしょうがない」と淡々としていたが、大役を任される可能性が高くなってきた。

▼田中が1日タイガース戦の2回から20回連続無失点。今年7月15日~8月5日にマークした渡米後最長の21回1/3に次ぎ、シーズン2度目の20回以上となった。球宴前後の防御率は

球宴前4・54

球宴後2・09

後半戦は2点以上良化している。

▼田中は大リーグ通算64勝目。岩隈の63勝を上回り、日本人投手では野茂123勝、黒田79勝に次いで単独3位に浮上した。