盗塁王に8度輝き歴代2位のメジャー通算938盗塁を記録した元カージナルスのルー・ブロック氏が6日、死去した。81歳だった。死因は明らかにされていないが、糖尿病で足を切断し、血液のがんで闘病中とも伝えられていた。

61年にカブスでデビュー後、64年にトレードでカージナルスに移籍し、74年には当時のシーズン最多記録となる118盗塁をマーク。3度のワールドシリーズでは通算打率3割9分1厘をマークし、2度の世界一に貢献した。79年に40歳で到達した通算938盗塁は、当時のメジャー記録。83年に阪急福本豊が抜いた際には、日本でも記録に注目が集まった。

68年にはカージナルスの一員として、79年にはMLB選抜の一員として日米野球で来日。68年には巨人の王貞治らと対戦し、16試合で計5本塁打、3盗塁と活躍した。球宴に6度選出され、85年には資格1年目で殿堂入り。79年までの19年で通算2616試合に出場し、史上14人目の通算3000安打を達成した。打率2割9分3厘、3023安打、149本塁打、900打点。

殿堂入り投手トム・シーバー氏が75歳で死去してからわずか1週間で再びレジェンドの訃報が届き、球界は悲しみに包まれた。この日のカブス-カージナルス戦では黙とうがささげられ、マンフレッド・コミッショナーは声明で「国民の娯楽を代表する貴重な存在だった。あまりにも残念」と悼んだ。

◆ルー・ブロック 1939年6月18日、米アーカンソー州生まれ。61年9月10日に22歳で中堅手としてカブスでデビュー。64年トレードでカージナルスに移籍。91年リッキー・ヘンダーソン(アスレチックス)に通算最多盗塁記録を更新された。180センチ、77キロ。左投げ左打ち。